表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/26

26. エピローグ


ミラン国の王都はお祭り騒ぎだった。

今日はロイド殿下の婚約お披露目パーティーなのだ。


エリナは朝から湯浴み、マッサージ、とされるがままに身を任せていた。


「エリナ様、お肌がもっとスベスベもっちもちになりました!」

侍女が明るく報告する。


「ありがとう…」

エリナは先日ロイドにデロデロになるまでお仕置きされて以来、控えめな発言を心がけていた。


『あの日は、あんなことやこんなことまで… 』

エリナはさまざまな恥ずかしいデロデロシーンを思い出し、一人で赤面していた。


エリナがあれこれと考えているうちに、ドレスの着付けが終わっていた。

今日のためにロイドが特別に用意したドレス…


光沢のある翡翠色のIラインのドレスに、金糸で繊細な刺繍がほどこされていた。

ところどころにエメラルドとダイヤモンドが縫い付けられており、金糸と相まってキラキラと輝いていた。

まるでロイドの金髪のような輝きだった。


胸元はベアトップになっており、エリナのやや豊満な膨らみが嫌らしくない程度に強調されていた。


コンコン

「エリナ?」

ロイドが顔を出した。


「まぁ殿下!やっと着付けが終わったところでございます!しばらくお待ち下さいませ」

侍女長がロイドを嗜める。


「いや、すぐ行くよ。これをエリナに…」

ロイドはエリナの後ろからスッと大きなエメラルドのネックレスを飾った。


「まぁ!すごく立派な宝石…」

エリナは驚いて言った。


ロイドは胸の膨らみをサッと撫で、その手でエメラルドとエリナの首筋をトントンと指で軽く叩いた。

「ここばかり見られないように。宝石があれば男どもの目線も上にいくかなと」


キャーと侍女たちが黄色い悲鳴をあげた。


「こんな立派で素敵な宝石があれば、むしろ胸元ばかりに注目がいきますわ」

エリナが焦ったように言った。


「その場合は、君の気の強い目線で嗜めるんだ。失敗したらお仕置きだよ」

ロイドは妖艶に微笑んだ。


「そんな…!」

エリナは涙目になってロイドを見上げた。


「その目を見せたらダメだ。その目は僕専用。わかった?」


エリナはコクコクと頷いた。


******

エリナはロイドにエスコートされながら、パーティー会場への入場するところだった。


シルバーブロンドの髪は侍女たちに複雑に編み込まれており、エリナの細い首筋があらわになっていた。


「エリナ、とても美しいよ。君の気が強くないと、すごく心配になるところだったよ」

ロイドがイタズラっぽく笑った。


「ロイド様…」

エリナは恨めしそうにロイドを見た。


「僕は気弱なエリナも、気が強いと思い込んでるかわいいエリナも、どっちも大好きだよ」


ロイドはそう言うと、片膝を立ててエリナの手を取って跪いた。

「エリナ・ストッケル公爵令嬢、愛しています。僕と結婚して下さい」


エリナは感激で鼻の奥がツーンとするのを感じた。

「はい、私もロイド殿下を愛しています。ロイド様のお側で一生支えて行きたいです」


ロイドは微笑んでエリナを抱きしめた。

エリナもしっかりと抱きしめ返した。


「僕は幸せだ」


その時。

「ロイド王太子殿下、エリナ・ストッケル公爵令嬢、入場です!」


エリナとロイドの前の扉が大きく開いた。


会場は、抱き合ってるエリナとロイドを見て、大きな歓声を上げた。


『これで僕がエリナだけを愛していると皆もわかったはず…』

どこまでも腹黒いロイドは、自分のプロポーズでさえゲイの噂払拭に利用したのだった。


しかし、そんな腹黒ロイドと、気弱だったり気が強かったりするエリナの相性はピッタリだ。


二人は翌年結婚し、末永く幸せに暮らしました。


これにて完結です。

初投稿だったので、読みにくい箇所が多く、ストーリーのツメが甘いところもあったかと思います。

それにもかかわらず、ここまで読んでくださって本当に本当にありがとうございました!


次回は、悪役令嬢に挑戦したいなと考えています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ