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13. ロイドの計画

イチャイチャを書いてみたくて初投稿で書き始めたけど、思いのほか恥ずかしくて、ただの会話や説明文ばかりになってしまいました。

これから気持ちを一新して異世界恋愛の物語としてちょっとだけ山あり谷ありでハッピーエンドに持っていきます!あと12-3話くらいで終わるはずです!


A棟階段にて


「ご同行を」

セバスチャンの有無を言わさぬ姿勢に、アンソニーはすごすごと着いて行った。


ガチャ

「お連れしました」

セバスチャンが特徴のない馬車の扉を開ける。


「やぁ」

ロイドがにこやかに微笑む。

「え、ロイド殿下?!」

「早く乗って」

「あ、ハイ」


カラカラカラカラ


アンソニーは向かいに座るロイドをチラリと見た。

『もしかして、エリナ・ストッケル嬢にアプローチしたのを怒ってる?いや、俺だけじゃなかったしな…』

アンソニーはふるふると頭をふる。


『あ、そういえば殿下ってタマラと幼馴染なんだっけ。タマラと婚約しておきながらエリナ嬢に近寄ったのを怒ってる?』

アンソニーは顔を青くした。


「アンソニー・エンゼル」

ロイドが声をかけた。

感情のこもっていない声だ。


「ハイィ!」


「オマエが考えていることをあててやろう。オマエがエリナに言い寄ったことを僕が怒っているのか、それともタマラを蔑ろにしたことが気に食わないのか、どっちだろう、とでも考えているんだろう」


「ヒィィィィ!申し訳ございません!」


「なぜエリナに言い寄った?タマラは?」


「ハイ、タマラとは仲良く?順調に?愛情関係を築いておりましたが、エリナ嬢との婚約は次期公爵を決めるものでしたので、愛だの恋だのとは別格かと…。そう考えたのは俺だけじゃないですし…」

暗に、政略的にエリナに言い寄った婚約者持ちの男が何人かいたことを匂わした。


「オマエはタマラと婚約関係にあるだけじゃなく恋人関係でもあったのか?」

ロイドはちょっと驚いた。


「いや、そのタマラは…」

アンソニーはチラリとロイドを見た。


「タマラの気持ちはご存知ですよね?」

「何の?」

「殿下への」

「は?!」


ロイドはぼんやりとタマラとのこれまでの会話を思い出そうとしたが、他の令嬢との区別がつかなかった。


そんなロイドの様子をアンソニーは苦笑いしながら眺めた。


「タマラは他の令嬢と同じく、殿下に長年思いを抱いておりましたが、その…」

チラリとハロルドを見る。


ハロルドは魂が抜けた顔をした。

「殿下…ホント恨みます」


アンソニーは続ける

「ハロルド殿と関係があると思い込み、殿下よりイケメンの…ゴホン…殿下と同じくらいイケメンの俺と婚約したんです」


「いろいろツッコミたいが続けて」


「僕はタマラのことが結構好きです。ワガママだし、高圧的だけど、根は結構イイコで優しいところもあります。それなりにデートを重ねてタマラもまんざらでもなさそうですが…」


チラリとロイドを見る。

「タマラがロイド殿下を見る目はやはり特別で。僕は二番手なんだなとずっと思ってきました………………だからエリナ・ストッケル嬢の婚約者の座が空いたとき、ちょっとアプローチしてみてもいっかなって」

テヘっとアンソニーがかわいく舌を出した。


「途中までは同情したが、イラッとするな」

ハァとロイドはため息した。


「まぁ、なんか悪いヤツじゃないのはわかった。オマエ、僕の手下になれ」

「結構率直に言うんですね」

セバスチャンが呟く。


「手下?なんか危ないこととか怖いことするかんじですかね?」

アンソニーが顔を歪めて聞いた。


「いや、マクイーン家の動向を教えてくれるだけでいい。見たこと、聞いたこと全てを」


「え、それだけ?それならいいっすけど……なんか見返りとか??」

アンソニーがチラリとロイドの顔を伺う。


「オマエはどんな見返りが欲しい?」

「え?じゃあ俺が伯爵になったときに侯爵に陞爵とか?」


ロイドがガックリした。

「ハァァァ。たかだか貴族の動向を伝えるだけで陞爵できるヤツがどこにいるんだよ」


「スミマセン!!…えーと…」


「お金とか、王家主導の新規事業への優先的な参入とか、いろいろあるだろ。オマエの場合は部下となる人材の派遣がいいんじゃないか?伯爵になるときにそんなんで大丈夫なのか?てゆーかオマエが伯爵になるのか?」


「そうなんですよ、次に成績が下がったら、弟に家督を譲るって父に脅されて!それもあってエリナ嬢にアプローチしたのもあるんですが」


「それタマラ知ってるのか?」

「もちろん隠してますよ!」


「ちなみにアンソニー様は『彼氏にしたいけど旦那にはしたくない男子』も1位でございます」

セバスチャンが補足する。


「ハッ!それ言わないでよ!傷ついてるのに!」

アンソニーは涙目だ。


「なんか、いろいろツッコミたいが…わかった。オマエはマクイーン家の動向を、見たもの聞いたもの全てをセバスチャンに報告すること。ちなみにオマエの解釈は不要だ。僕からは、誰かオマエを色んな意味で支えてくれる人材を派遣する。その人から勉強も学ぶといい」


「ありがとうございます!俺は寮にいるので家庭教師ってなかなか恥ずかしくて。でも従者のような形なら問題ないですね!」


*******

「あんな阿呆を手下にして大丈夫なんですか?」

アンソニーと別れたあと、セバスチャンがロイドに聞いた。


「うまくいけばマクイーン家の動向がわかるし、タマラかエドモンドにアンソニーの動きが怪しいと疑われても、すぐに僕にはつながらないだろう。


つながっても、もし本当に彼らが後ろ暗いことを考えていたら牽制となるし、隠そうとすれば何らか動きがあるはずで、こちらも対処しやすい」


ロイドはセバスチャンとハロルドの顔を見て頷いた。

「いずれにせよ、短期戦だ。エリナの身を危険に晒すことは長く続けられない。エリナを1ヶ月間王家の別荘なりどこかに匿う。その間に全ての悪を一掃する。ハロルドにはエリナの護衛を命じる。セバスチャンは僕と一緒に行動するように」


「御意」

「仰せのままに」


今日から仕事でした… 読んで下さった皆さまもお疲れ様です。

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