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第六話 「この世界で出来た友達」

この世界に来てから三週間

僕は、魔法や武器の扱いの朝練するためにランニングをしながら練習場所を探していた

ちょうどその時だった、隣に同じくランニングしてる人が隣に来た

ゆきむら君だった

「八尋も朝練か」

「そんなとこ」

「せっかくだ、話そうぜ」

普段は僕達はそれぞれ別の場所で訓練してるのでこうして被るのは珍しい

これも何かの縁か

三週間ももう一緒にいるならもう仲間と言っても問題ないし

お互いのこともっと良く知っても良いはずだ

僕達はそのままランニングしながら話をすることになった

「・・・そうか・・・八尋は過去にそんなことがあったのか・・・」

「うん・・・弟と妹・・・探してるんだ」

僕は僕の身に起こったことゆきむら君に全て話した

家族が殺された時の事

正直、これを話すだけで胸が張り裂けそうなくらい苦しいけど

隠してたって良いことはない

ゆきむら君やトパーズさんに知ってもらえれば、見つかる可能性は僅かでも上がる

仲間に隠し事はしたくない

「じゃあ俺も異世界ここに来た理由言う」

「俺は・・・あの世界でアイドルやってたんだ、戦極炎っていう」

「そういえば、見たことある」

前々からゆきむら君をどこかで見たことあると思ったけど合点いった

確か戦極炎って女の子の人気のアイドルグループでクラスの子達がゆきむら君のことかっこいって言ってたの覚えてる

「昔から勉強も運動も得意でさ、同年代では喧嘩で負けなしだった」

「それで、俺はその生活に満足してたんだけど・・・」

ある日のことだった

俺を救ってくれた子がいた

アイドルやってればくだらないやっかみは日常だった

多数の敵を血祭りにあげた時だった

その時の俺はすべてが敵だった

俺の住んでるマンションで、親父と母親を腹違いの妹を殴っていた

うるさい!俺の人生を邪魔するな!なんでっもかんでも押し付けやがって!

その時、孤独な俺を助けてくれた女の子


ダメだよ家族は大事にしなくちゃ・・・

話聞くよ

僕も兄や弟達と喧嘩することあるけど

神様に仲直りさせてくださいってお願いして・・・

そして謝るんだ

だって、ずっと憎みあってるなんてそんなの悲しいよ


お前、八尋結だった

だから・・・八尋のなんか助けになりたいと思ってた

「そういえば・・・あの時の」

「ゆきむら君だったんだね」

覚えている

あの時の男の子、ゆきむら君だったのか

「覚えてくれてくれたのか!ありがとう!」

覚えていたことが嬉しかったのか、ゆきむら君は顔をグイッっと近づけてくる

クラスの女の子達が言うように確かに整った顔立ち、綺麗な瞳がこちらを見つめてくる

顔同士が触れそうな距離だった

「近いよ・・・」

「あ、ごめん」

ゆきむら君は僕の困惑した顔に気づいてすぐ離れる

その後僕らはまたランニングを続ける

「なぁ・・・下の名前」

「名前・・・結って呼んでいいか?」

「いいよ・・・僕もゆきむら君だし」

水しぶきが気持ちい噴水の縁に腰掛け

二人は目をつむり水の音を感じていた


またある日

僕は屋敷の馬小屋でトパーズさんと会っていた

ただ会いに来たわけじゃない、目的があった

というかトパーズさんは用事が話してくれなそうだったから理由をつけた

「俺に馬の乗り方を教えてほしい?」

「うん、この先長距離の移動もあるかもしれないし乗れた方が三人で行動しやすいし」

「そういうことなら・・・まあいいぞ」

そうして、僕はトパーズさんに馬の乗り方を教えてもらうことなった

「あ・・・そっちじゃない」

基本を教えてもならってさっそく乗ってみたが

思うようにいかない、意図しない方向へ行ってしまう

やっぱ生き物だけあって上手くいかないなぁ

「馬を安心させてやれ、きっと初めての人を乗せるから馬も緊張してるんだ」

僕はトパーズさんに言われた通り

馬さんの背中を優しく撫でながら手綱を操った

すると、馬さんは信頼してくれたのだろう僕に背中を預けてくれた

さっきと違って思った方向へ言ってくれる

「驚いたな、この短時間でマスターするとは」

そんな僕にトパーズさんには感嘆の言葉を口にする

「もう少し、長い距離を走ってみてもいいですか?」

「ああいいぞ、俺もついて行こう」

僕とトパーズさんは馬に乗りながら

町はずれの草原の方まで走ることにした

そしてしばらくしたとこで

僕は言葉を切り出した

「トパーズさん僕の話を聞いても経っていいですか?」

「別にいいぞ、何だ?」

トパーズさんは分かっていたような感じで僕の話に耳を傾ける

僕は過去の事を全て一通り話す

「そうか・・・俺だって人の子だ・・・協力できるならするつもりだ」

「俺も・・・話そう」

トパーズさんは僕やゆきむら君がいた世界とはまた別の世界

AIと機械が発展した世界から来たそうだ

そこではAIが支配する世界で、まるでそれは神様の様な扱いだったと聞く

人類は数十年前に起こったAIの反乱で人類は滅びの道を辿っていた

そして長い戦いの末、両者は共倒れとなり

残ったのは鉄クズの山ばかりの世界

そんな中でトパーズさんはAIに反抗するレジスタンスの一員だったんだけど

AI軍の残党が操るロボットとの戦闘で死亡してしまう

そのときトパーズさんの親友のツバサっていう人が最終的にそのロボットを自らの死と引き換えに破壊したんだけど

トパーズさん曰く、まだ小競り合いは続いているらしく

どうしてもその世界に戻りたい・・・と言った話だった

しばらくした後、馬小屋まで戻ってきた

「トパーズさんありがとうございます」

僕は馬から降りて一礼

するとトパーズさんは・・・

「ユウでいい」

「もう三週間も一緒だしな他人行儀は好きじゃない」

下の名前で呼んでいいと言ってくれた

「ふふ、分かりましたユウさん」

僕は快く承諾した


「これは?」

ある日、シャルロットさん行きつけの防具屋で肱当てと膝当てを買ってもらていた

「これは子供用の筋肉の動きを補助する魔道具よ」

僕は肱と膝に軽めの金属でできた籠手状の防具を付けていた

聞くとこによるとこれは、これは身体強化魔法をこれが検知して吸収

流された魔力を、中に入ってる歯車に伝わり装着者の動きを補助する

剣を振った時に筋肉が受ける衝撃を外へ逃がす、逃がす際籠手の隙間から魔力の風が吹き出る

力を増すというより負担を軽減する道具だ

それにより普通の身体強化魔法を使う場合の5分の1の魔力の消費で済むらしい

ちなみに、これが大人とかがあまり使われない理由があるのは

これには限界リミッターがあってある一定までの出力しか出ないのだ

魔力を流しすぎると壊れてしまい、通常の籠手より弱い重いだけの足枷にしかならないからだ

つまりは子供用の自衛装備的防具なのである

「持久戦ならこっちで戦った方がいいわ」

「ありがとう」


またまたある日

僕は図書室でシャルロットさんの手伝いをしていた

何でも一つでもいいからお父さんの役立ちたくて

こうして少しでも情報をかき集めるため

図書室の本を漁ってるのだった

僕も読み終わった本を片付ける傍らペラペラと読んでいるけど(異世界文字は読めるらしい)

このそれらしい情報はない

やっぱシャルロットさんって頭いいんだな

本人の談では、自分は体が弱いからお父さんみたいに軍隊を率いて戦うことはできない

だから、せめて裏方でもいいからこの自慢の頭脳でお父さん役に立ちたいらしい

シャルロットさんはクロノ神聖国の学園にいたころ成績はトップクラスだったそうだ

「ダメね・・・次の本を・・・」

どうやら空振りだったらしく

次の本を調べようと、脚立に乗り高い所にある本棚に手を伸ばした時だった

きゅきゅ

僕はそこでお腹が空いたぐるぐる目のハムスターみたいな生物が脚立にぶつかった

脚立は不安定にグラグラと揺れ始める

「え?・・・ちょっとっ・・・」

ん?・・・今何か見えたような・・・

って考えてる場合じゃ!

バランスを崩した脚立は、倒れ

脚立に乗っていたシャルロットさんは落下してしまう

「危ない!」

僕は、走りシャルロットさんにの下敷きになるように受け止めた

「う・・・大丈夫ですか」

「ええ・・・なんとか」

良かった無事だっみたいだ

気づいたら僕とシャルロットさんの顔が触れそうなくらい近かった

(近くで見ると・・・・瞳綺麗)

そう八尋に対して思ったシャルロット

「どうかしました?」

長い時間僕の顔をじっと見ていたシャルロットさんは気づいて

慌てて立ち上がる

「え?・・・ああごめんなさいすぐ退くから」

その後、こちらをチラチラ見るちょっと様子がおかしいシャルロットさんと一緒に

本の続きを探して見た

なんだか可笑しくて苦笑してしまう

「今笑ったでしょ」

「だってきょろきょろしてるから」

「まあ確かに・・・ふふ」

そんなシャルロットさんの顔も笑顔だった


その日の夜

「ふぅ・・・」

僕はシャルロットさんの屋敷にある大浴場へお風呂に入る

僕は決まって誰もいない深夜に入る

窓から星が見えるこの大浴場は一人で入るのに最適だからだ

「あれ・・・誰かいる?」

後ろから声が聞こえた

この声はシャルロットさんだ

シャルロットさんがこの時間にお風呂入ってくるのは珍しい

大抵、侍女の方と一緒に日没してすぐ入るはず

「シャルロットさんもお風呂ですか?」

僕はシャルロットさんに気さくに話しかける

だけど、シャルロットさんの反応がおかしい

「ええ・・・ってユイ君じゃない!?」

「こ、ここ女湯!・・・・・間違って今なら誰にも言わないから」

「え?」

シャルロットさんは凄く慌てた様子で、ここが女湯だと伝えてくる

もしかして・・・僕の事男と勘違いしてる?

今まで勘違いされてたのか・・・

でも、まあ今訂正すればいいことだし

「シャルロットさん・・・僕は女の子ですよ」

ザパァ

僕は、湯舟から立ち上がる

「ええ~!・・・・・・アレ無い・・・・確かに本当だ」

シャルロットさんは僕の体を見て一瞬驚いてたけど

すぐ納得してくれたらしい

その後、僕とシャルロットさんは隣り合って同じ湯船につかる

「私は女の子にときめいていたのか・・・」

な、なんかシャルロットさんががっくり肩を落としてるけど

悪いことしちゃったかな

「それにしても、僕とシャルロットさんが出会ってからもうこんな時間たってるんだね」

「そうね・・・最初出会った時はいきなりゴブリンを惨殺して怖い人達だと思ってたけど」

怖い人たちって思われてたんだ・・・

しばらく二人で星の景色と湯舟に癒されたふとシャルロットさんが言い出す

「あななたたちと出会って本当に良かったと思う」

僕達との出会いをシャルロットさんは良かった言ってくれた

「僕もです」

それは僕も同じだ

最初にシャルロットさんに出会わなかったら、最初で路頭に迷ってたかもしれない

「あなた達とおしゃべりして、関わっていって」

「・・・私ってこういう経験少ないから・・・なんかこういうのいいな」

シャルロットさんは湯船から手を出して指を組んで掲げる、笑顔で

シャルロットさんは僕達のことを友達だと言っているのだろう

「シャルロットさんと僕達はもう友達ってことですか?」

「うん」

僕は・・・いつか、シャルロットさんに本当の事を話したい

僕の事を友達だと言ってくれたシャルロットさんに嘘をついていたくない

「・・・今はまだ言えないことがあるけどシャルロットさんに聞いて欲しいことがある」

シャルロットさんの顔を正面に捉える

「絶対、言うからその時は・・・」

「何か隠してるのは分かってるわ」

シャルロットさんにはもう見抜かれてたのか・・・

「いつでもいいわよ・・・だって私達友達じゃない」

でもシャルロットさんはいいよと言ってくれた

優しい人だな

「ありがとう」

僕は笑顔で答えた

「これかれもよえろしくねユイさん」

「はいシャルロットさん」

もう一回、二人で星空みる

なんだかいつもより輝いていた


この日は僕達全員集まっていた

シャルロットさんが復学する時、僕達が護衛するときの打ち合わせだ

そこに、シャルロットさんのお父さんガーランドさんはいない

この日、前々から噂されてたトクの村の魔族を軍隊を率いて討伐に向かったからである

割と王都から近隣の村とはいえ、高い山々に囲まれたこの国では戻ってくるのに一日以上はかかる

その時だった扉が勢いよく開かれ一人の兵士が入ってきた

汗だくでかなり焦ってる姿だ

兵士は、衝撃の言葉を言った

「大変です!・・・リンドブルムがっ・・・攻めてきました!」

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