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金月花(きんげっか)  作者: リルシャ
9/9

~女神に謁見する~


 やわらかな光に包まれた後、シルトとアリサは大きな広間に出た。

 大きな洞窟の天井には、やはり大きなシャンデリアがきらきらと光を放ち。壁は蔓に覆われて、白い花が咲き乱れ、ところ所に木が生えていて、木の実の代わりに光る実が生っていた。床も白い大理石。

 その広間の奥、一段と高くなっている場所にいるのが、女神なのだろうか。

 「女神様、金月花を欲する者達を連れて参りました」

 トオルがかしこまって言う。

 「よろしい。(わたくし)の前へ連れておいで、トオル」

 ろうろうとした美しい声で、女神がトオルに命ずる。

 「かしこまりました、女神様」

 トオルが一礼をする。

 「女神様の元へどうぞ」

 トオルがふたりを女神の元へ連れて行く。

 シルトとアリサは緊張しながら、並んでトオルに付いて行く。

 女神の正面には赤い絨毯が敷かれており、その絨毯が柔らかいのも気付かぬほど、ふたりは緊張してきた。

 トオルが止まった。女神がのんびりと肘掛けに寄りかかって座るその階段の下に。

 トオルが小さな声で、

 「女神様にご挨拶をして」

 と、言うとシルトとアリサから横に離れて行ってしまった。

 シルトもアリサも緊張して、声が出ない。

 アリサはテレビで視た、女王にプリンセスが挨拶をする姿を思い出して、片膝を折って挨拶をした。

 「はじめまして、人間のアリサです」

 これだけ言うので、精一杯だ。

 シルトは、アリサの挨拶で我に返った。

 「はじめまして、女神様。僕は月うさぎのシルトです。金月花を必要としています。」

 シルトは頭を下げて、挨拶をした。

 「ふたり共、ラトナ山に、よく来たの」

 女神は白い椅子の肘掛けに身を預けたまま言った。

 女神は、真っ白な肌に長い黒髪をしていた。長い黒髪は金粉をかけたようにきらきらとして、角度によっては緑色にも見えた。アーモンドアイでエメラルド色の瞳。さくらんぼうのような唇。美しいが、一体、何歳かわからない。

 「子供がふたり、金月花を求めて来るとは。さぁ、どんな理由か、教えておくれ」

 女神は、ふたりに話しを促した。  

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