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第5話 ハ○?でんで○虫?






 「あ"ー!やっと一息つける。」


 あの後、洞窟…元いダンジョンから脱出し、エレナさんにしょっぴかれた(ほぼ強制連行)宿屋でシングルサイズのベッドに飛び込みなからそう独りごつ。

 深呼吸すると、今日干したばかりなのか太陽の匂いがする…温かい。

 今近くにエレナさんはいない。

 曰く、ギルドで受けていたクエストの報告とダンジョン内で亡くなっていた人達の情報提供+クエスト依頼をしに行くといい宿を飛び出して行った。

 その説明の時も四苦八苦していたのだが…。


 (記憶がないと伝えたのは失敗したかもしれない…。)


 エレナさんにとっては、いや、この世界の人にとって自身のステータス確認は至極当然のことなのだろう。

 それを知らなかったからか、「ギルドっていうのは云々…でクエスト依頼は云々…」と1から説明してくれた。

 そのせいでギルドが閉まる時間ギリギリになってしまったようだ…非常に申し訳ない。

 まあ、おかげで貨幣価値まで分かったのはよかった。


 銅紙幣=100円

 銀紙幣=1000円

 金紙幣=1万円

 白金紙幣=10万円

 金貨=100万円

 白金貨=1億円


 多分日本円換算だとこれぐらいだろう。

 1億円なんて何に使うの…。

 驚いたことにこのフィリアでも紙幣が流通しているらしい。

 誰かが広めたのだろうか?

 まあ、この世界の人間が思いついた可能性もある…ただ、印刷技術はどうなのだろうか偽札も作られてそうだけど…そこら辺は魔法的なもので調べてるのかもな。

 異世界も人の生きてきた世界だ。

 地球より何世代も遅れている訳ではないのだろう。

 寧ろ地球よりも進んでいる技術もあるかもしれない。

 そんなものがあるなら是非とも見てみたいが…あ、今神様の気持ちが分かった気がする。

 旅行するとか言ってたし、今は何処かに観光名所とかに行っていたりするのだろうか。


 「そういや、ステータスちゃんと確認してなかったな。」


 ダンジョン内でチラ見はしたが、鑑定は使ってないし何より帰ってくるまでこの宿屋からは出ないように!と何度も言われたからな…時間はある。

 うつ伏せに寝ていた状態から起き上がり、ベッドへ腰掛けステータスを開く。


 ----------------




 タダシ・ミナミヤマ

 年齢16

 level1

 ○スキル

 ・言語共通化

 ・鑑定

 ・ストレージ

 ○オリジナルスキル

 ・可能性の種

 ○加護

 ・失われし神の加護




 ----------------


 「どれから見るか…上からでいっか。」


 □言語共通化

 ※異世界の言語が話せ、読み書きできる。種族別の言語にも対応。[パッシブ]


 お、これなかなかいいんじゃないか?

 フィリアに何カ国あるか分からないが、その全ての言葉を翻訳してくれるってことだろ?

 あの神様も中々いいものをくれたな。


 □鑑定

 ※万物の詳細を調べることが出来る。神の辞書より引用。

 

 鑑定に関しては概ね予想通りかな?

 ただ、この後半の神の辞書より引用ってのは…つまり神の辞書にないものは調べても分からないって事?うーん分からん。


 □ストレージ

 ※別名、空間保管庫。物品を劣化させることなく保管できる。

 ただし、生物は入れられない。容量はレベルにより変化する。


 ストレージも特におかしな所はない。

 時間停止系なのは嬉しい誤算だね。

 さて…次はお待ちかねOS(オリジナルスキル)の可能性の種だ。

 出来れば便利なものだといいけど…。


 □可能性の種

 ※育成により成長する種。育成に必要な糧はレベルアップ時入手。

 ・level1


 ……これだけ??

 んー…これは…ハズレっぽい?

 一応レベル表記はあるけど…7億出して運に任せOSガチャった割には微妙かな。

 成長の仕様によっては強くなる可能性もあるかもしれないが、どう考えても俺Tueeeみたくは無理だ。

 まあ、地球では元から無かったものだ。

 なんとかなるだろう。

 これは社会に出て色々経験して学んだことだが、火急を要するものではなければ人間なんとでもなる。

 多少ショックではあるが、こんなことで慌てるほどではないのだ!

 僕も無駄に28年も生きてはいないのだ!

 ないったらないのだ!ヘケッ!

 …ごめんなさい。

 嘘つきました…結構ショックです…。


 ○失われし神の加護

 ※異世界へ旅立った名も無き神による加護。

 ・成長促進[パッシブ]

 ・精神保護[パッシブ]

 ・ヘルプ


 名も無き神?

 神様自身はそれなりの立場だったと言っていたが嘘だったのだろうか?

 いや…嘘を付く利点もないし、実際16歳の身体になっている。

 そういえばお使いがあったな…あとでストレージを確認しよう。

 異世界へって言うと、こっちから地球へってことで合っているのかな?


 □成長促進

 ※取得経験値増加(少)、その他パラメーターに+補正(少)


 □精神保護

 ※精神安定補正(少)


 おぉ!あまり期待してなかったけど補正が付いてる。

 経験値増加は普通に嬉しい。

 昔やってたRPGゲームでもバカにできないくらい効果あったからなー。

 クリア後の周回要素として選択する時は絶対に選んでたわ。

 それと精神安定補正はSAN値減少し難くなるってことかな?

 この先何があるか分からないからこういう補助的なのはあって損はない。


 「それよりもなにこのヘルプって。」


 鑑定しようにも何も反応がない。

 神の辞書とやらには載ってないのだろうか?

 なんとなしにタッチパネルに触れるようにヘルプを押してみる。

 するとヘルプの文字が反応し、ポンッ!と以前、神様の所で見た真っ赤なハ○より一回り小さいハ○が出現した。


 「…ヘッ!?」

 「ぷるるるるるる…ぷるるるるるる…」


 なんか電話かけてるみたいな音が、あの神様の声で聞こえるんだけど…。

 これはハ○ではなくて、でんで○虫だった?

 ガチャ…どうやら繋がったらしい。

 しかしどうやって話せばいいんだろう…耳元に持ってってみるか?


 「あれ?どちら様?」


 どうやらスピーカー通話らしい。

 聞き覚えのある声が聞こえてきた。


 「あー…お久しぶり?です神様。僕です。」

 「僕?もしかして新手の僕僕詐欺かい!?どこで僕がお金を手に入れた情報を掴んだのかは知らないけど、騙そうたってそうはいかないよ!!」

 「ち、違います違います!そのお金で転生させてもらった南山禎です!」

 「……な、なーんだ。それならそうと早く言ってくれればよかったのに。なに?とうしたの?というか、どうやって連絡してるの??」


 今まで持ってなかった大金が急に転がり込んだからか、疑い深くなってるのかな??

 てか、僕僕詐欺って…語呂悪すぎだろう。


 「自分のステータスを確認してたんですけどね、神様の加護のヘルプって所に触れたら小さなハ○が出てきまして、急に電話かかったんですよ。」

 「あー…なるほど…どこに仕舞ったか探してたけどそんなところにあったのか…。それはね、僕の義体だよ。」

 「義体?」

 「そ。僕が今、地球観光してるのにも使ってるんだけど、幾つか予備があってね。その1つ。あーちょっと待ってねー。」


 なんかこの流れデジャヴを感じる…。

 そうこうしているといつぞやと同じようにハ○が光出し、全長15cmぐらいだろうか…見覚えのある姿が現れ、僕の頭の周りを飛び回り眼前で止まる。


 「やあやあ、元気してたかい?タダシ君?」

 「神様!?元気…ですけど、こっちに来ていいんですか?」

 「んー…多分大丈夫だよー。本体がこっち来てるわけじゃないし、OKOK^^」


 か、軽いな…そんなんでいいのか?

 イマイチ信用ならない…。

 まあ神様がいいというならいいのだろう、きっと気にしたら負けだ。

 いや、勝負しているわけではないんだけど。

 すると神様は部屋の中を見渡し


 「それでどう?フィリアの暮らしは。ここは宿屋かな?」

 「そうです。僕を助けてくれた人に連れてこられたんですよ。それとフィリアに着いたのは3時間前くらいですよ。」


 とりあえず今までの経緯を神様に説明し終え、喉が渇いたのでテーブルに置いてあったピッチャーからコップへ水を移し喉を潤す。


 「ぶぷぷっ!なかなか面白い出会いだね!ぷぷっ。」

 「笑い事じゃないですよ…危うく転生して数分で死ぬところだったんですから。」

 「ごめんごめん。でもおかしいなー。安全な草原に送ったはずだったんだけど…。」

 「あれ?そうなんですか?」

 「そうなんだよ。もしかしたら、僕が居なくなってから100年以上経つし、色々変わったのかもしれないね……よし決めた!僕も君について行くことにするよ!」


 また急に決めたぞこの神様…ノリで生き過ぎだと思うんだけど。


 「え?いいんですか?僕的には嬉しいんですけど…神様…旅行は?」

 「ん?旅行は今もしてるよ?義体は複数操作可能だから、地球で旅行しながら君の様子を近くで見守る事も出来るのさ!凄いでしょ!褒めてもいいんだよ!☆」

 「へー…スゴイデスネ(棒」

 「むっ!誠意が足りないぞ!」


 僕のリアクションに不満なのか、頭の上に乗りペシペシ叩いてくる。

 痛っ…くはないな。

 まあドヤ顔には若干イラッとしたものの、なにはともあれ神様が見守ってくれるというならば安心して生きていけそうだ。

 コンコン

 1人そんなことを考えていると不意に部屋のドアがノックされる。

 

 「はい、今開けます。」

 「ただいま、タダシ君。ちゃんと大人しくしてた?」

 「あはは。何ですかその年上のお姉さんみたいな言い方は。おかえりなさい。」


 扉を開けるとエレナさんがスルッと部屋の中に入りながらそんなことを言うので、まるで子供が大人ぶっているみたいで笑ってしまった。


 「みたいって、だって私成人だもの。タダシ君ははまだでしょ?」

 「あーこっちって何歳から成人なんですか?」

 「こっち?あ、そうよね…16からよ。」

 「(やばっ…)それじゃ僕も成人ですね。」

 「本当に!?いえ、ごめんなさい。若く見えるものだからてっきり…じゃあ同い年なのね。」

 「そうなんですか?」


 ついポロッとこっちとか言ってしまった…危ない。

 てか、若く見えるって初めて言われたぞ。

 寧ろ向こうでは落ち着いてるからもっと年上なのかと思ったと言われてたぐらいなのに。

 実際は落ち着いてるんじゃなくて、只のコミュ障なだけだったんだけど。


 「へー…彼女がエレナちゃんか。なかなか可愛いじゃないか。ま、僕には叶わないかもだけどね☆」

 「(ちょっと神様…。)」

 「大丈夫大じょーぶ!僕の姿は彼女には見えないから!」

 「(そうなんです?)」


 僕の頭から降りたと思ったら、初対面でいきなり煽り始めたミニ神様に動揺したが見えてないなら問題はない。

 別にバレなければなにしてもいいと言うわけではないが。

 ん?エレナさんの目が若干据わってる?


 「……何なの?この赤い子?」

 「見えてんじゃん!!」

 「あ、あれ?」









 12月15日

 4話

 ※ステータス表示の仕様を脳内ではなく、目の前に画面として変更しました。


ここまで読んで下さりありがとうございます。




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