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第2話 かわいい??カワイイ??




2話目です。

さっさと異世界行かせたいのに中々行きません。

なぜだ…。

今回短めです。







 ふわふわと揺蕩う感覚。

 先程までの息苦しさはもうない。

 ただそこにあるのは、まるで刺すような冷たさだけ。


 (あぁ…死んだのか。)


 言葉にすると自然と納得出来た。

 最後に見た幼馴染みのあの顔。

 笑っているようで泣いているようで。

 でも、どこか安心しているようで苦しんでいるようなそんな顔。


 (結局、世の中金が全てなんだよな。)


 今思えば、7億と言った時明らかに悠太の雰囲気が変わっていたと思う。

 その後すぐに元通りになっていたが、流石に隠し切れなかったんだろう。

 いくら小さい頃から一緒に育ってきたとは言え、いつどこで狂うかなんて分からないものだなーと1人で考える。

 やっぱりお金って怖いね。

 そして不思議な事に悠太に対する憎しみがあるかどうかと聞かれれば、苦しめて殺しやがって!!とは思うがそれ以外の感情は特にない。

 何故?どうして?と疑問ではあるが、復讐心みたいなのは沸いてこないんだ。


 (きっと、いや多分最後に見たあの顔があまりにも苦しそうだったからかもしれない。…それはそうと、それでこれから僕はどうなるんだろうか。)


 色々と気になることはあるのだが、もう死んでしまったわけだし今更どうこう言っても仕方ない。

 答えてくれる人がいるわけでもないしな。

 なにもない空間で1人うんうん頷いていると、


 「はいはーい!それは僕が答えてあげまーす!」

 (………は?)


 どこからともなく少女の声が聞こえ、キョロキョロと周囲を見渡すが姿は見えない。

 これはあれか?俗に言う…。


 (え!?なにっ!?幽霊!?やめてよっ!僕はサイコホラーは平気だけどガチもんのホラーだけは苦手なんだって!!)

 「…ぷぷぷっ!なに言ってんの?今の君だって立派な幽霊だろうに!ぷぷっ!」

 (…………。)


 何故だろう。

 言ってることは間違ってはいないが、言い方に悪意を感じるぞ?

 生前読んでた人気小説の駄女神みたいな。


 「ぷぷぷっ!あーおかしっ。それはそうと君、僕のこと見えているかい?」

 (…見えていないので怯えているのですが…。)


 若干イラッとしながらも自分以外の声に安堵しながら質問に答える。

 ゆ、幽霊じゃないってわかったからじゃないんだからねっ!


 「あっれー?なんでだろ??座標が安定しないのかな?でも声は届いてるし…あ、こっちか!」


 声の主が試行錯誤しているのだろう。

 何をしているのかまではさっぱり分からないが、僕に姿が見えるようにしてくれているらしい。

 すると目の前にポンッ!と赤い球体が出現した。

 それと同時に先程からあった刺すような冷たさは感じなくなる。

 見た目はなんかハ○みたいだけど。マイド!マイドォォ!!ミトメタクナイ!!

 あ、僕が見てたのは世代的に種ですね。種運命も好きよ。


 「なんか変なこと考えてる?」

 (そ、ソンナコトナイヨ?)


 思考が読まれているだとッ!?


 「当然だよ!僕は神様だからね!!」

 (………うん、まあ、そうだとは思ってたけど。)


 僕のリアクションに不満げなのか、球体からブーブー文句が聞こえる。

 まあ、想像していた神様とはかなり違うけど神様だというならばきっとそうなのだろう。僕死んでるしね。


 「ちょっと待ってて、今解凍中だから!」

 (解凍中?)


 このハ○(暫定)はパソコンの圧縮ファイルか何かなのだろうか?

 暫く待っているとハ○(確定)が光始め、人の形になっていく。

 眩しくて目を開けていられなくなり手で顔を覆うほどだ。

 1、2分程だろうか、徐々に光が収まりだし目の前には白いローブコートを纏いピンクのミニスカートを穿いた美少女が笑顔で佇んでいた。

 身長は150cm前後だろうか175cmの僕と並ぶと頭1つ分ほど下に旋毛が見える。

 髪色はハ○状態と同じ色で炎のように真っ赤だ。

 長さは腰くらいまである。

 ただし先ほどのハ○とは違いとても艶々している。

 きゅーてぃくぉぅ!!………特に意味はない。

 瞳の色も髪と同じく赤…かと思ったが緋色だろうか橙に近い。

 身体のラインは所謂ツルペタ体型だ。

 一部界隈の人達は大興奮するかもしれない。

 眺めていると元ハ○の美少女は目を瞬かせ自分の身体の確認を行う。

 確認作業に満足したのか、最後に1回転し僕にピースして見せた。


 (か、かわいい…なんだこの生物は…。)

 「でっしょー!どーだぁ!これで神様なんだから最高だよね!☆(*v^-^)v」


 今度は両手でピースしてきた。

 ヤバい、目覚めてしまいそう。


 「おっと…かわいいと褒めてくれるのは嬉しいけど、僕に欲情とかはしないでおくれよ?そんな人には天罰を与えるからね。」

 (いえ、僕はロリコンではないので父性に目覚めそうでした。)

 「そう?ならいいけど。ほらもっとかわいいって言って良いよ!☆」


 普段の僕なら調子に乗り始めた人間にはチョップの1発でもかますところだが、実際かわいいのだから仕方がない。


 (いやーこんな女神様に天国に送って貰えるなんて僕は幸せ者だなー!)

 「ん?違うよ?」

 (え?…もしかして地獄ですか??)

 「ううん。そうじゃなくて僕は男神だよ。」

 (なん…だと!?)


 なんとこんなにカワイくて男…。

 男の娘だと…!!

 しかもミニスカ!!

 更に狭い一部界隈は今頃大FEVERだろう。

 嬉しさのあまり死人が出てるかもしれない。

 つまり下には


 「付いてるね。見る?」

 (いえ、結構です。)


 即答である。

 僕も男の娘スキーだがそこまでではない。

 見えないからこそいいのだ。


 閑話休題


 (じゃあ、悠太は?)

 「あの後の話だね。君を溺死させた後、彼は君の遺体を車に乗せて近くにある僕の神社まで来たんだ。」

 (神社…もしかして?)

 「そう、君たちには首吊り神社と呼ばれている。途轍もなく不服だけどね。」


 このカワイイ神様の言う首吊り神社は、僕達の地元にある神社で昔から何人もの人が自殺の場所として使ってきたらしい神社だ。

 流石に吊られている場面は見たことがないが、子供の頃から大人達に近付かないよう注意を受けていたのでとてもよく知っている。


 (じゃあ、僕を吊しに?)

 「いや、君は溺死だろう?そんな状態の遺体を吊したところですぐバレる。だから彼は境内に埋めに来たんだよ。」

 (埋めに…。)

 「その後彼は30分ぐらいかな?座り込んでいたけれど車に乗って帰って行ったよ。」

 (…そうですか。)


 後悔でもしていたのだろうか。


 (そもそも何故悠太はこんなことを?)

 「色んな所に借金があったみたいだね。」

 (借金…そんなこと1度も…。)

 「言えなかったんだろうね。君と再会した時、もう既に首が回らない状態でね、最後の賭だって宝くじ買ったみたいだよ。君が当てたことで今回の凶行に走ってしまったみたいだけど。」

 (…。)


 言ってくれれば…とは言えない。

 きっと断ったと思う。

 これは僕の持論だが、友人間でのお金の貸し借りは絶対にしないことにしている。

 貸した借りた時点で友人では無くなってしまうと思うから。


 「ま、彼は帰り事故って亡くなってしまったんだけどね。」


 もう言葉も出なかった。

 僕のお金で助かったならまだしも、そんなことって…。


 「で、だ。ここからが本題。」

 (…なんですか?)


 本題?僕が殺され悠太も死に、あとは何があるというのか。


 「君のお金欲しいからさ、僕にちょうだい!変わりに異世界転生権とその後のスキルを買わせてあげるよ!☆v(^O^)」

 (………what?)


最早意味が分からなかった。









ここまで読んで下さりありがとうございます。


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