プロローグ
トスの王族────
その名はラーフの多くの人々が知っていた。
なぜなら諸国に勝利を重ね、巨大化したメタファー王国の一族の名だからだ。
第8代国王 セントスは大きな功績を残した。
長年冷戦状態であったシアグルの侵略に成功。
また条約を結んでいた周辺諸国の植民地化にも成功。
ラーフ共和国との条約締結。
その他メタファーの巨大化と発展に最善を尽くし、その雄姿は国民に大きく称えられ、メタファー3人目となる国王の銅像が建てられた。
そんな国王には二人の息子がいた。
長男のソウトスはずる賢く、冷酷な性格だったために国民や、貴族からの人気は弟のノルトスに比べなかった。
次男のノルトスは寛大で人聞きがよく、多くの人々に慕われていた。
事件は突然起こった。
事が起こったその瞬間、パテラは乱れを発生させ、その乱れは瞬く間に拡散された。
パテラとはメタファー王国にて王家の血を引く者と一部の民のみが感じ、操ることができた特別な力である。
もちろんのこと、その乱れを一番に感じたのは息子であるソウトスとノルトスであった。
「父は死んだ。」
ソウトスはそう言って嘲笑った。
しばらくして報告が入る。
「大変です!ソウトス様!国王様がお亡くなりになられました。何者かによる暗殺かと思われます…」
ソウトスはすっと立ち上がり、報告者に接近する。
「それは大変だ…すぐさま暗殺者を見つけ出し、刑を執行したいところだが…それよりも大切なのは、国民からの信頼を得るためにも新たな国王を決定することだ。一刻も早く王選候補者と議会を集めろ。今日中に事を決めなくてはならん。」
「承知致しました。」そう言って報告人はソウトスの部屋を後にした。
「いよいよですね、陛下」
「ああ、ようやく私たちの時代が始まる。準備を始めよ」
「はっ」ソウトスの側近であり騎士のヒイトは胸に手を当て、ソウトスに改めて忠誠を誓った…
ご愛読ありがとうございます。
この物語はハーメルンさんで投稿させて頂いております、SND STAR WARSに登場する惑星、『ラーフ』での物語、言わばスピンオフ作品です。
ぜひSND SWの方もご覧ください。
SND SW(https://syosetu.org/novel/163191/)