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怪奇現象と驚愕①

そして私には驚愕した理由がもう1つあった__



凛とエミは男子生徒と女生徒に囲まれている背の高い男の子について話していた。



「ねぇ凛。あれ成瀬じゃ……」



「あの身長だし1-Cだし成瀬じゃない。」



でも私には成瀬くんなのかそうなのかを考えるより先にその男子生徒の1人に目を奪われた。


その主犯格の男子生徒は黒木凌。私の幼馴染であり私の元彼でもある人物。黒木凌とは中学卒業と共に連絡も彼と関わる友人すべてとの関係をたった。






なのに何故______今ここにいるの_____





何故彼がここに居るのか…そう思った訳は遡れば中学2年生の春の出来事。





中学2年生の時幼馴染の彼、黒木凌の告白をきっかけに私も彼のことが好きだった事もあり2年の春に付き合い始めた。




でもそれは地獄の始まりでしかなかったのだ__




付き合って3ヶ月までは好きな人と仲のいい友人と過ごす平凡な日々だった、でも4ヶ月目を迎えようとした数日前に突然彼と音信不通になった。学校にも来なければ自宅を訪ねてもいつも笑顔で迎えてくれる彼のお母さんもいない。いや、彼お母さんだけでは無い家族が誰1人としていないのだ。



それから約1週間が経った頃の夜に彼から1本の電話がかかってきた。



「ずっと連絡出来なくてごめん。

今から噴水公園に来てくれない?話したい事があるんだ…」



「うん、わかった。今から向かうね」



家から徒歩10分程の彼とのいつもデートしていた公園だった事と20時を回ってすぐだったこともあり外出許可が母からおり急いで彼の元に急いだ。



彼は入ってすぐ左のブランコに腰掛けていた

私は小走りで歩み寄り彼に問いつめた



「ねぇ!なんで連絡くれなかったの!」



「わるい。俺自身頭の整理がつかなくて」



ブランコの近くに設置された街灯が彼の顔を照らした時目からツーっと涙が零れていた



「どうしたの?なにか…あったの」



「実は母さんと父さんが離婚したんだ。それで引越しとかで連絡取れなくて学校も行ってなかったんだ。ごめん」



私が家を訪ねてもそれでは誰一人と居ないわけだと納得した



「でもなんで凌のお父さんとお母さんあんなに仲良かったのに…」



「父さんと母さんは……」



沈黙が続いた。私には長く感じた沈黙も実際は5秒位だったと思う


そしてまた



「父さんと母さんは………ぷっふっははは!!」



突然なにがそんなに面白いのか突然笑いだした彼



「なにがおもしろいの」



「お前ほんと馬鹿だよな!」



手を叩いている彼、そしてブランコの少し離れた横の草むらから同じ年齢くらいの男子が1人と高校生の男性が2人



凌の言葉に続いて高校生の1人が



「やっべー!クソもろしれぇ!」



「凌の親離婚したの自分のせいなのになに深刻ぶってんだよ」



ゲラゲラ笑う高校生に凌は



「マジそれっす!泣く真似も疲れたわ」



今思えばこんな状況どう考えてもおかしいのに当時の私は真剣なのに笑うことが有り得なくてそれと同時に何一つ彼らの会話が理解できなく突っかかったのだ



「なにがそんなにおもしろいの?人が真剣に話してるのになにをそんなにバカ笑い出来るの?」



「ガキで女のくせにうるせぇな。黙ってろよ!ぶん殴るぞ。」



「先輩!一応俺の彼女っすよ」



笑ってブランコを漕ぐ彼が信じられなかった



「じゃあよ殴んねぇかわりに、今からゲーセン行きてぇし、金くれよ!な!」



そう言いながら段々と私との距離を縮めてくる



「何故私があなた達みたいな人にお金を渡さなければいけないんですか」



「お前凌の彼女なんだろ彼氏の友達に金くらいよこすのが普通だろ」



な!凌と彼に話をふった高校生



「当たり前でしょ。金持ってんだろ。咲桜、早く寄越せよ」



こんな口調で話す彼ではなかった。いつも優しく『咲桜一緒に帰ろ!』そう言ってくれた彼は何処へ行ってしまったのか。会えなかった1週間で何があったのか。


俯く私に痺れを切らせた高校生は私のお腹を蹴ったのだ。

近くにあったブランコのポールに腰を強くうちつけ感じたことのない痛みに身を渦組めてた。


「おい凌、お前もやれよ」



「俺っすか?こいつを?」



「あたりめーだろ。そんで金とれ」



その言葉を聞いた彼は漕いでいたブランコから軽くジャンプをして私の元まで歩いてきてお腹を抑える私にトドメを指すようにして再度お腹を強く蹴ってきた。



それから方からかけていたカバンの中から財布を取りお金を抜かれた。財布を私に投げつけて彼は一言こういった



「また金寄越せよな。咲桜」



「いや…だ。私と別れて……っ…」



「俺はお前と絶対別れてやらねぇから」



そうして彼らは公園から消えていった



怪我は全治2週間でお腹には大きなアザがと内出血。もう少し強ければ危なかったとお医者さんには告げられた。



その1件が会ってから1度も彼と連絡も来なければしない1ヶ月がたった夏を目前にした頃また彼は2ヶ月ぶりに学校へ来た。



みんなの前ではあの姿ではないいつもの優しい凌を演じていた。放課後になれば人のいない教室や校舎裏へ連れ込み殴られ毎日のようにお金を取られた。お金を持ってこない日はいつもの倍殴られ蹴られる日々が続き精神的にも崩壊しかけたが彼に合わないですむ夏休みになった。







でもやっぱり彼からの地獄の日々はそう簡単には終わらなかった_______








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