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怪事件の始まり②

朝いつも通り学校に登校し2階の教室へ行くために靴箱を突き進み右に曲がり階段を登る。

その間もひそひそ話をしている生徒がちらほら。


何かあったのか?女子生徒だけではなく男子生徒までもその話題について話しているようで少なくとも不気味な話し声からは恋愛話などではなさそう。そんな事を考えながら歩いていると1-Bと書かれた自分のクラスの教室に着いていた。扉越しの廊下からでも伝わるいつもよりいっそう騒がしい教室



扉を開け廊下側の後ろから2番目の私の席につき今日の時間割を確認しながら授業の準備をしている私の元へとドタバタと騒がしく駆け寄ってくる制服を着崩した女の子2人。


「「アリスおはよー!」」


私の名前はアリスこと有栖咲桜


朝から元気な友人、黒髪ロングでストレートの千葉凛と明るいく茶髪のツイテールの白石エミとは高校に入ってからの友人で全くタイプは違うけれど入学式の時道に迷っていた私に声をかけてくれたことがきっかけで仲良くなったのだ


「ねぇ!例の話聞いた!」


机にドンッと両手を勢いよくつき前のめりになって私に問いかけるエミ。


「なに?例の話って?」


「やっぱりしらないか!」


「教室に来るまでにみんなひそひそはなしてたから

何かあったかなとは思ってたけどやっぱり何かあったの?」


「うちの学校の理科室に出たらしいよ…」


そう話し出したエミと凛は両手首をだらんと下に下げた。


「え?なにおばけ?」


「そ!正解!おばけ!」


エミは楽しそうに答えた。


「おばけ〜?そんなのいつでたの?」


私はふふっと鼻で笑いながら教科書に目を向けていると


「それがさ〜…昨日の夜に部室に忘れものしたサッカー部の山本達が理科室の横を通り過ぎようとしたら理科室に不気味な人影が居たらしくてね!」


続けて凛が


「それを面白がった2人がスマホのライトで中を照らしたら自分たちの居た隣の窓ガラスが触ってもないのに急に粉々に割れたって話。」


「でもそれ普通の男の人じゃないの?なにかものでも投げて割ったとか?」


私はそう返答すると2人は目を合わせて笑い


「そうだよね〜!私達もそう思ってそれ普通の人じゃないのって言ったら3人して顔真っ青にして一瞬で消えたんだって言うんだよ〜?おかしいよね!」


きゃははと女の子らしい高い声で笑いながら手を叩き楽しそうにしているエミを横目に凛はエミの発言とはまた違った話を始めた。


「でもそれ隣のクラスの成瀬みたいだったって吉田のやつ言ってたよね」


「それ!成瀬くんだったら笑うんだけど!てか夜な夜な理科室でなにしてんのって話だよね」


突然おばけから隣のクラスの成瀬くんに犯人は変わった。

お化けではなかったの…そんな事を思いながらも


「ねぇ、成瀬くんって誰?」


「あんた成瀬も知らないの!」


目を見開いて大きな声で驚く凛にこの話題を既に知って盛り上がっているクラスメイトたちが一斉にこちらに目をやる。


「凛は声でかいって…!」


「ごめんごめん!で、成瀬ってうちの学校で1番根暗で陰キャなオカルトの本ばっか読んでる無駄に背が高いで有名な男子」


「いや〜まさか知らないなんて思わないよねぇ」


机に肘を置き手のひらに顎を乗せながら話すエミは続けて


「あれでしょ、どーせ井上先生に嫉妬して夜な夜な理科室に忍び込んでガラス割ったんじゃない?てかオカルト好きみたいだし黒魔術とかしてたとか?」


「それありえる!イケメンで有名な自分とは真逆の井上先生だもんな。黒魔術説濃厚!」


井上先生とは理科の担当教師で教師歴2年目の若く少し教師にしてはチャラい見た目にフレンドリーさで女の子の生徒を中心に人気のある先生。


私はあまり井上先生の事は好きではない。むしろ苦手かもしれない人だ。


「そんなに人の悪口ばっか言ってるとぶさいくになっちゃうよ!」


私は教科書の高さをトントンと机に叩き揃えながら2人微笑みながら告げるとあっさりとはーいと返事をして自分たちの席へと戻って言った。



ちょうどホームルームが始まる合図のチャイムが流れる中、私は謎の人影に触れてもいないのに割れる窓ガラスより黒魔術してそうなで根暗で陰キャな成瀬くんって一体どんな人なのだろうかと私の疑問は彼に残ったのだった。



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