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怪事件の始まり①

『おつかれっしたぁー!!!!!』




試合を目前に控えたサッカー部が放課後の練習を終えて解散の挨拶をした頃には時計の短い針が8時を少し過ぎたあたりを指していた。


更衣室へと疲れきってヘトヘトになり足取りもおぼつかない部員たちが口々に談笑をしながら更衣室へと向かう。

そのなかの山本が自分の少し後ろを歩く友人の吉田と河野に向かって口を開いた


「なぁ!帰りファミレス寄って帰ろうぜ!」


「お前ほんとに元気だな」


タオルでガシガシと顔を拭きながら河野は呆れながら答えた。その隣から


「でも確かに腹減ったよな。成長期の俺には流石に家まで持たねぇ…」


続けて答えた吉田の返答に河野は確かにと頷き結果3人でファミレスで軽く食べて家に帰ることにした。


学校を出て15分ほど歩いた先にあるファミレスで夕飯前と思えない特大ステーキをペロリと3人は平らげ食事を済ませた。レジへ向かおうと荷物をまとめ席をたとうとした時


「会計はジャンケンで負けた奴の奢りにしない?俺金欠なんだよな」


ニカッと笑いジャンケン持ちだした吉田。


「いや!それはキツいって!

お前らのステーキ含めたらいくらになるよ…」


「嫌なら山本が勝てばいいんだよ。でも吉田が負けたら金欠なのに財布軽くなるな」




ジャンケン___ポンッ__!



「うわ!結局俺かよ!」


結果は食事を誘った張本人、山本が負けた。会計に向かおうと席でバッグのチャックを開けて渋々手を入れ感覚で財布を探るが手に財布らしい感触がしない。

空中で探すのも中々難しいので、ユニフォームやタオルが入ったバッグを床にドサッと置き探すがやはり財布はない。



「やべぇ、俺部室に財布忘れちった」


「マジかよ!山本〜」


「お前奢らないつもりかよ」


「ごめんってどっちか取り替えといて…!」


「しゃーねぇな。俺がとい変えといてやる」


そう言った河野が3人分のステーキ代を立て替えてくれた。





………





「財布どーすんの?早く取りに行かないと取られないか?部員だからといって絶対的には信じれないし…」



店を出てから河野が心配そうに告げる



「明日の朝でいいよ。戻んのもめんどくさいし」


「でも定期入ってんじゃないの?」



忘れていたようで目を見開き

そうだったと頭を抱えて唸りながらしゃがむ。


「どーすんの?」


返事を急かすように河野が声をかけると山本は


「学校に取りに行くの着いてきて下さい…」





それからまた15分かけて学校に着いた3人はまだ教員が帰っていないようで学校の門は空いていた。いつもなら教員達も帰って相手いないのに珍しい。

部活が終わった時は確かに暗かったのであれから40分程たったとなればより一層闇は濃くなっていた。



「いやぁやっぱり夜の学校は雰囲気違うな!」


「確かに。なんか出たりして!」


「お前怖い事言うなよ!」




吉田と河野は山本より少し離れた前を歩いてこんな話をしていた。ちょうど理科室の前を通り過ぎた2人の後ろから山本が




「なあ。あれ何?」



「は?何が」




そう言って振り返った2人は理科室に向いて指を指している山本の指を目で追った。その先には理科室の中から不気味にゆらゆらと揺れる真っ黒な人がげ…



その場に固まった山本に2人は近づき人影に向かって河野がスマホのライトを向けた。



「どうせ先生だって……」



そう言おうとしたその時____



3人が理科室を見ていたすぐ隣の窓ガラスからパリッ…パリッ…と不思議な音がしたので、不気味にゆらゆら揺れる人影から窓ガラスに目を向けスマホのライトをかざした次の瞬間パリンッと大きな音と共にライトで照らされてキラキラした窓ガラスの破片が顔の横を一瞬で通り過ぎた…。





誰もガラスに触れていないのに粉々に窓ガラスが割れた___



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