天の上、地の下 **
出演
36歳男性 ガーランド入国管理局 局長補佐官
26歳男性 ガーランド入国管理局 入国管理情報室長
*********
〈そうか、ならばしっかり隊長を補佐しろよ〉
〈お任せ下さい。特殊部隊の任が終われば、次は何処に配属されるか分かりません。今までお世話になりました〉
〈いや。そうだ、せっかく王都へ行くのだから、お前もそろそろ落ち着いたらどうだ?エミハール上将の家は、代々婚姻が早いんだぞ。第二の、いや、総指揮官のフランシー殿も、早くに子供が居るはずだ。今日は無礼講だ。お前の好みの女性を聞かせてくれ。知り合いを紹介してやろう〉
ガヤガヤ。ガヤガヤ。
ガヤガヤ。ガヤガヤ。
ザワザワ。
〈隊長いいなあ、いいなあ。私も飼いたい。あんなの。なかなか手に入りません、あ、麦酒、黒!・・・黒、やばい。マジ。思い出した〉
〈いいから、落ち着け。麦酒は要らない。水をくれ〉
〈黒!黒ですよ!あの子の頭の色・・・ツヤツヤ。サラサラ〉
コト。
〈ありがとう。出来れば、人払いをこれで頼む。いや、この付近だけで構わない〉
チャリ。
〈黒!黒はまだですか?どうして隊長なんですか?私が貴族だからですか?貴族はそんなに悪い事ですか?〉
〈悪くない。立派な事だ。分かったから、静かに。これを飲め〉
〈すいませんねぇ、家柄が良くって。無試験で上官になって。本当にすいません〉
〈飲め。いいから、水を、〉
〈私の方が、先にあの黒長鼠を見つけましたよね、隊長、後から来ましたよね?きっと王都でチヤホヤされてましたよね?〉
〈拾って来たのはあの姉弟だが、分かった。分かった、〉
〈ああ。なんか。ムカムカしてきた。とんでもない、あんなとんでもない卑猥な言葉をヴァルヴォアールの、クソヤロウに詠唱させられてたなんて、ヴォウ!・・・触りたい!あの黒長鼠に、触りたい!!飼う、私も!!部屋に一匹!!そして、正しい言葉遣いを強せーーーガ・シッ!!!
〈しっ・・かり、しろ!!!
目を、覚ませ!!!〉
〈・・・・〉
〈・・・・〉
ごくり。ごくり。コト。
〈しています。覚めています。これはただの妄想です。実行に移さなければ、ただの精神疲労の回復行為。ただの癒しの妄想です〉
〈・・・なら、いいが、〉
〈・・・・〉
〈・・・・〉
〈移すなよ。そして、王都では、もう、隊長と酒を飲むなよ〉
〈・・・・〉
ガーランド国、東の国境麓の町では、砦隊士の間で高価な黒長鼠が流行っているとの噂があり、国中の鼠業者が小さな町へ押し寄せた。後に麓の町では一家に一鼠が当たり前のペットブームになったという。
*********
出演
22歳男性 ファルド自然科学研究所
被験者NO.45
(要注意国際指名手配中)
15歳男性 南方出身旅商人
15歳男性 南方出身旅商人(婚活中)
*********
「やっぱり、僕には匂いの探索は無理みたいだよ。匂いは匂いでしかないみたいだ」
「そうなんだね。鼻の器官が違うのかな?」
「一応、練習してみれば?」
「・・・しないよ。ミギノのお尻以外、何で嗅がないといけないの?他人の尻の臭いなんて、ある意味拷問だろ」
「・・・お尻の臭いっていうか・・・」
「排泄器官の事じゃ無いよ!そんなところ嗅がないよ!・・・なんて言うのかな?皮膚から出てくる、あれだよ。背中とか、首の後ろとか分かりやすいよね」
「一番分かるのが、お尻の付近なんだ・・・え?まさか、」
「君、あの子のお尻の臭い、嗅いで終わったの?」
「・・・・」
「それじゃ分からないよ!」
「当然だね。やっぱり、練習した方が良いって!僕たちは、子供の頃からしてるから、無人には、いきなりは無理だよ、」
くるり。
ふり。
「練習、する?」
「しない。ミギノに会ってからするよ」
「・・・」
「・・・そう。」
へたり。
スタスタ。パタン。
「ねえ、あれ、発情の方じゃないよね?」
「え?違うよ。無人って、年中してるから、そういう期間は無いって聞いたよ」
「・・・・そう。ならいいんだけど」
「どうしたの?」
「ううん。ちょっと、心配になっただけ。ほら、あの子、なんか小さかったからね」
「だよね!小さかった!」
「・・・・」




