表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぷるりんと異世界旅行  作者: wawa
魂の眠る森~グルディ・オーサ
19/221

不審不穏少女 **


 出演

 21歳男性 ファルド自然科学研究所 

       被験者NO.45

 29歳男性 ファルド公安第十旅団医療局 局長 

 28歳男性 ファルド国防総監 公安第一旅団局長


******


 ーーブルブルブルブル・・・。


 「なんだこれは、震えだしたぞ、」 


 ーーブルブルブルブル・・・。


 「ちょっ、ほんとだ、でもあの子が触っても、そんなことにならなかったよ、何したの?」


 ーーブルブルブルブル・・・。


 「何を押したのだ?さっまで、枠目が均等に並んでいたはずなのに、」

 

 ーーブルブルブルブル・・・。


 「いや、この緑の四角の中を見ようとしただけだ。さっきも、押せば表示が変わっただろう?」


 「さっきはちょんて、押したでしょう?メアー、今その緑、ずーっと押してたじゃない!魔石や魔詠唱みたいに、指先に力を込めたら駄目なんだって、」


 ーーブルブルブルブル・・・。


 「いや、でもよ、なんで全部の枠目が震えてんだ?気持ち悪い、あ!」


 「あーあー、なにやったの?顔みたいに目がついてるやつ、どっかいっちゃった。」


 「知らねえし、」


 ーーブルブルブルブル・・・。


 「知らなくないよ、メアーが指でピンて弾いたの、僕は見てたよ。飛んでったじゃないか」


 「だからなんだ。あいつが勝手に居なくなったんだし、知らねえし、」


 ーーブルブルブルブル・・・。


 「揉めるな。私は魔法の事は分からないが、初めと同じ様に、ぐっと押せばよいのではないのか?」


 ーーブルブルブルブル・・・。


 「ぐっとか?、」


 「やってみてよ」


 「だからよ、なんで俺ばっかりにやらせるんだよ」


 「だって好きでしょう、こういう変なの触るの」


 「・・・好きだけどよ、・・・」


 ピトリ、ぐっ。


 「「「・・・・」」」


 「あ、」


 「止まったぞ!」


 「良かったな。で、さっきから気になっていたのだが、この右上の黄色い表示、色が赤くなって減っている様に感じるが」


 「そうだね。初めはそれ、もっと大きくて白かったんだよね」


 「こいつだろ?減るって事は、燃料表示か何かかもな」


 「減るの?魔素みたいに?」


 「「「・・・・」」」


 ピトリ、ジーーーー。


 ブルブルッ!


 「あ!また!」

 「オーラ公、意外と下手くそなのだな」

 「じゃあ、オメエがやれよ!公ってなんだよ、オメエも公だろうがよ!」


 ワアワア、ワアワア・・・。








 この後、超薄型の最新携帯電話は、無駄な電力消費により充電を無くし、電源が切れる事になる。





*********


 出演

 21歳男性 ファルド自然科学研究所 

       被験者NO.45

 30歳女性 トライド西民宿派遣サービス業

       受付兼支配人

 25歳女性 トライド西民宿派遣サービス業

       派遣職員

 23歳女性 トライド西民宿派遣サービス業

       派遣職員 


*********


 「黒髪の、背が低めのこ・・・」


 「畏まりました。フリアナを呼んで」


 「待って。間違えた。そのこは無し。そのこは駄目」


 「はあ、そうですか?では、」


 「背は高め、黒髪以外。絶対に。」


 「畏まりました」




**



 ギィ・・・。


 「また来てね」


 「・・・もう来ないよ。さよなら」


 ・・・パタン。



**


 

 「オツカレー!あれ?なんかぐったりだね」

 

 「あのお客さん、長いのよね・・・」


 「あーわかる。長いよね。異様に」

 

 「ずっと外套脱がないし、」


 「でもさ、アタシ、顔見たことあるのよね。けっこうイケてた。・・・まあでも、無表情だったけどね」


 「あたしも見た。人形みたいな顔してた。しかも窓からフリアナ見て、それからとんでもなく長かったのよ・・・」


 「あー、例の黒髪以外?、本当はそれの代わりなんじゃない?」


 「黒髪のおちびちゃん?やめてよ。フリアナだって、けっこう見た目は幼い系でしょう?」


 「ムリムリ」


 「ムリムリ」


 ギッ・・・、「・・・・・・・・」


 ーーハッ!、ドキリッ!


 「あらやだ、どうしたの?」

 「びっくりしたあ、アタシ、戻るね!」


 タタタタッ!


 「・・・・忘れ物」


 「あ、その汚い袋、あ・・・」


 にぎり、スタスタスタ・・・。


 ギィ、パタン。


 「・・・ほんと、ムリムリ・・・」




 




 客の要望に応える様々なサービス業界では、節度のある金払いの良い上客には誠意を尽くす事が求められ、延長希望にノーとは言えない状況が、辛いところではある。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ