不審不穏少女 **
出演
21歳男性 ファルド自然科学研究所
被験者NO.45
29歳男性 ファルド公安第十旅団医療局 局長
28歳男性 ファルド国防総監 公安第一旅団局長
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ーーブルブルブルブル・・・。
「なんだこれは、震えだしたぞ、」
ーーブルブルブルブル・・・。
「ちょっ、ほんとだ、でもあの子が触っても、そんなことにならなかったよ、何したの?」
ーーブルブルブルブル・・・。
「何を押したのだ?さっまで、枠目が均等に並んでいたはずなのに、」
ーーブルブルブルブル・・・。
「いや、この緑の四角の中を見ようとしただけだ。さっきも、押せば表示が変わっただろう?」
「さっきはちょんて、押したでしょう?メアー、今その緑、ずーっと押してたじゃない!魔石や魔詠唱みたいに、指先に力を込めたら駄目なんだって、」
ーーブルブルブルブル・・・。
「いや、でもよ、なんで全部の枠目が震えてんだ?気持ち悪い、あ!」
「あーあー、なにやったの?顔みたいに目がついてるやつ、どっかいっちゃった。」
「知らねえし、」
ーーブルブルブルブル・・・。
「知らなくないよ、メアーが指でピンて弾いたの、僕は見てたよ。飛んでったじゃないか」
「だからなんだ。あいつが勝手に居なくなったんだし、知らねえし、」
ーーブルブルブルブル・・・。
「揉めるな。私は魔法の事は分からないが、初めと同じ様に、ぐっと押せばよいのではないのか?」
ーーブルブルブルブル・・・。
「ぐっとか?、」
「やってみてよ」
「だからよ、なんで俺ばっかりにやらせるんだよ」
「だって好きでしょう、こういう変なの触るの」
「・・・好きだけどよ、・・・」
ピトリ、ぐっ。
「「「・・・・」」」
「あ、」
「止まったぞ!」
「良かったな。で、さっきから気になっていたのだが、この右上の黄色い表示、色が赤くなって減っている様に感じるが」
「そうだね。初めはそれ、もっと大きくて白かったんだよね」
「こいつだろ?減るって事は、燃料表示か何かかもな」
「減るの?魔素みたいに?」
「「「・・・・」」」
ピトリ、ジーーーー。
ブルブルッ!
「あ!また!」
「オーラ公、意外と下手くそなのだな」
「じゃあ、オメエがやれよ!公ってなんだよ、オメエも公だろうがよ!」
ワアワア、ワアワア・・・。
この後、超薄型の最新携帯電話は、無駄な電力消費により充電を無くし、電源が切れる事になる。
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出演
21歳男性 ファルド自然科学研究所
被験者NO.45
30歳女性 トライド西民宿派遣サービス業
受付兼支配人
25歳女性 トライド西民宿派遣サービス業
派遣職員
23歳女性 トライド西民宿派遣サービス業
派遣職員
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「黒髪の、背が低めのこ・・・」
「畏まりました。フリアナを呼んで」
「待って。間違えた。そのこは無し。そのこは駄目」
「はあ、そうですか?では、」
「背は高め、黒髪以外。絶対に。」
「畏まりました」
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ギィ・・・。
「また来てね」
「・・・もう来ないよ。さよなら」
・・・パタン。
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「オツカレー!あれ?なんかぐったりだね」
「あのお客さん、長いのよね・・・」
「あーわかる。長いよね。異様に」
「ずっと外套脱がないし、」
「でもさ、アタシ、顔見たことあるのよね。けっこうイケてた。・・・まあでも、無表情だったけどね」
「あたしも見た。人形みたいな顔してた。しかも窓からフリアナ見て、それからとんでもなく長かったのよ・・・」
「あー、例の黒髪以外?、本当はそれの代わりなんじゃない?」
「黒髪のおちびちゃん?やめてよ。フリアナだって、けっこう見た目は幼い系でしょう?」
「ムリムリ」
「ムリムリ」
ギッ・・・、「・・・・・・・・」
ーーハッ!、ドキリッ!
「あらやだ、どうしたの?」
「びっくりしたあ、アタシ、戻るね!」
タタタタッ!
「・・・・忘れ物」
「あ、その汚い袋、あ・・・」
にぎり、スタスタスタ・・・。
ギィ、パタン。
「・・・ほんと、ムリムリ・・・」
客の要望に応える様々なサービス業界では、節度のある金払いの良い上客には誠意を尽くす事が求められ、延長希望にノーとは言えない状況が、辛いところではある。




