記録から消された竜騎士 **
出演
33歳男性 ファルド公安第一旅団国家安全保安局
要人警護第一課 課長
28歳男性 ファルド公安第一旅団国家安全保安局
要人警護第一課 課長補佐
*********
「この通路に将軍達は入られたのだな?」
「はっ!」
ダダダダダダダ、タッ!
カッカッカッカッ!
「中佐!道が別れております!」
「待て、あれは何だ?」
「「・・・・」」
「球、ですか?」
ヒロイ。
ぱらり、フリフリ。
ピラリ。
「・・・下着?、これは、」
「子供の・・・・・・・・?」
((ハッ!!!))
ドキリ。
(この秘すべき道は、逃げた子供、将軍と中尉しか通られてはいないはず。何故、下着、?)
ドキドキ、ドキドキ。
(確か、統括団長、子供に関してよくない噂があった。第四師団の風変わりな奴らの冷やかし、庶民の嘘話だと皆は笑っていたがこれは?、中佐の顔が、強張ってる・・・まさか、同じ事を考えて?)
「下着、だな、」ゴクリ。
「・・・そうですね、子供の、」コクリ。
ドッドッドッドッドッドッ。
(いや、決め付けるのはまだ早い。先行されたのは二人なのだ。将軍と、ユベルヴァール中・・・尉はあり得ないな。そもそも、なんで子供は下着を・・・)
ドキドキ、ハラハラ。
(そうだよ。暗闇、子供、統括団長、下穿きを結び付ける事がおかしい話じゃないか、そうだよ、そう・・・、子供、なんで、これを、脱いだんだ?、厠とか?我慢出来ずに?、)
ーーーハッ!!!
((脱がされたのか!?))
ドッドッドッドッドッドッドッドッ!
(これは将軍に対して、危険な考えだ。決め付けるのはよくない事だ、)
ドキドキドキドキドキドキ。
(子供は、なんで脱がされたんだ?、待て、現場には、ユベルヴァール中尉が居たはずだ。彼はこの騎士団でも、公に統括団長の幼児愛好疑惑に対し嫌悪公言していた。その彼が居れば、・・・居たのに、なんで?)
「「・・・・」」
「大尉、」
「はい、なんでありますか?」
「それは、私が保管、いや、預かろう」サッ!
「・・・・は、?、いえ、中佐のお手を煩わせるよりかは、私が拾得物の係へ預けに参ります」
「・・・よこせ!」
「・・・?」
モヤモヤ?
(中佐、今年三十三、結婚されているが子供無し、夫婦仲はあまり良くないとの噂。なんで、面倒事なんかいつも俺に押し付けるのに、子供の下穿きをよこせ?、それに今、保管て言わなかったか!?)ハッ!(まさか、)
ドキドキ。
(こんな事が公に出れば、将軍に傷が付く。ここは将軍の趣味がなんであれ、私が盾にならなくては。将軍閣下の醜聞は、全て部下が隠さなくては、)
「早く、こちらに!」
さっ!
「いえ!、これは下穿きです!上官に預けるわけには!!」
ささっ!
イラッ。(こいつ、命令に逆らった事などないのに、・・・なんだ?私を睨んで・・・)
「貴様、これは上官命令であるぞ!」ギラリ!
(あの小さな子供が統括団長に玩ばれて、それをユベルヴァール中尉は、上からの圧力に屈して、止められなかったのだ!せめて私だけは、これを正規の届け先へ運ばなければならない。・・・・・・・人として!)
キリッ!
ギュッ!
「何も言わず、それを渡せ!」ビシッ!
「失礼でありますが、中佐は!、何故子供の下穿きに固執されるのですか!?」
「何・・・固執?」ハッ!
(こいつは、まさか私個人が子供の下着を収集し、それに執着していると思っているのか?先程からの不穏な目つき、命令違反行為、・・・これは、将軍閣下をお守りする為には、良い誤解かもしれないが、しかし・・・)
「これは、自分が必ず、巫女殿へお返し致します!」
(私が、将軍閣下に代わり、幼児愛好家の汚名をかぶれば、全て、丸く、収まる)、
「・・・巫女殿の物とは限らないだろう!」
スルリ。
「・・・は、?、え?、では、」
「それが、先行されたどちらかの、私物であれば、どうするのだ」シレリ。
「・・・しぶつ、?」
コクリ。(申し訳ありません将軍閣下。私は、あなたの汚名を逸らす絶好の機会を逸し、己の保身に走ってしまいました。これ以上、妻との間を拗れさせたくはありません・・・)
「どちらがどうとは言わない。もしかすると、ご親戚やお知り合いの方への贈り物かもしれない」
「下穿きの、贈り物を、懐に持参ですか?」
ゴクリ。
「個人的なこれ以上は、詮索無用だ。さあ、渡せ」
「・・・・・・はっ、」シブシブ。
サッ、フリフリ、フリフリ。
「・・・・、」
がしり、にぎり!、しまい、コクリ。
ジーーーー・・・・・。
「「・・・・・・・・」」
タタタタタタタ・・・・。
カッカッカッカッカッカッ・・・。
この後、一部局員の間では、上官達の趣味趣向に対し、様々な不信感と憶測が飛び交う事になる。問題となった子供のパンツの事だが、これは組織的隠蔽により、表舞台に出ることは無く、現在は秘すべき保管場所に封じられている。




