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ぷるりんと異世界旅行  作者: wawa
双頭の王~ファルド帝国
174/221

** 探求 **


 出演

 28歳男性 ガーランド入国管理局 局長

      東方同盟保障条約課 

      特殊機動隊 隊長 兼務

 36歳男性 ガーランド入国管理局 局長補佐官

 

*********



 〈・・・・〉



 〈続きまして、明日の調印式でのことですが、〉

 

 〈・・・・〉


 〈どうされましたか?、何か、気がかりでも?〉


 〈・・・いや、すまない私情だ。そうだな、お前には聞いて貰おう、前回も相談したからな。実は俺は危うく、あの小さな身体に穴をあけ、傷付けるところだったのだ・・・〉


 〈小さな身体、ああ、巫女殿の事ですね。穴をア、!!?〉

 ギクリ、ドキリ!


 〈今回は未遂に終わったが、初めて戦場で感じた後悔に、自分へ憤った〉


 〈・・・、隊長、その、それは、〉汗、

 (・・・まさか、待て待て。冷静になれ。そんな行為に及ぶ刻も場所も無い。隊長は戦場でしか巫女殿と会ってはいな、!!、まさか、上空か?、飛竜の、上?)


 〈・・・・〉


 〈ですが、その、〉汗汗、

 (駄目だ!そんなガキの賊みたいな蛮行!隊長と重ねるなんて、失礼だろ!!・・・・・・、だが、あのコが東へ旅立ってから隊長、その為の友人と手を切ったとの噂がある、)


 〈・・・はぁ、愚かだな。まだまだ俺も未熟だ〉


 〈巫女殿は、その、〉汗汗汗、

 (溜め息まで吐いて後悔?まさか、積もり積もって、溜めに溜めて?あのコを見た途端?我慢出来ずに!?しかも、未遂で堪えただと?・・・・・・止めろ。駄目だ、止めろ!!!・・・、センディオラめ、奴がおかしな妄想ばかり口にするから、私まで隊長とあの小さな少女をおかしな目で、止めろ!!この考えが、既に駄目だ!)

 ドキドキドキ、ドキドキドキ。


 〈・・・・〉


 〈隊長、〉汗汗汗汗、

 (よくよく考えてみろ。それは人としては当たり前の衝動。更に、あのコの事を考えての、堪えきれない愛情と思えば、)


 〈何だ?〉


 キリッ!


 〈それは当たり前の事なのです。未遂に留められたこと、それは隊長の技術、そして巫女殿への強い思いが、その結果へ導いたのです〉コクリ。


 〈・・・・・・そうだな。お前の考え方は、いつも前向きだ。守るべき家庭を持つ者の、心構えからそうなるのかもな〉


 ホッ。


 〈では、明日の調印式での・・・・〉





 〈以上、報告を終わります。失礼致します〉  


 ペコリ、くるり。


 〈そうだ、待て〉


 〈はっ!〉くるり?


 〈以前に任せた彼女の呼称についてだが、まだ提出されてはいない。明日の調印式までに提出しろ。口頭でも構わない〉


 ーー〈!!!!!?〉


 コクリ。


 ビシッ!コクリ!


 〈お任せ下さい!〉


 〈頼む〉

 コクリ、ニコリ。


 〈!!〉グサリッ!クルリ!


 スタスタ、カチャリ、ぱたん。


 〈・・・・・・・・・・・ぐっ、続いていた、〉







 上司の風変わりな婚約者を一言で表すと何と呼べるのか、その提出を度重なる有事に先延ばしとしてきたが、正式な期日を突き付けられた。これよりまた、局長補佐官の苦悩が始まるのだが、この後、更なる有事により提出は延期される事となり、彼はじりじりと追い詰められていく。




*********


 出演

 29歳男性 ファルド国防総監 公安第一旅団局長

 24歳男性 エスクランザ国天教院

      派遣要人護衛官長

 11歳男性 南方共和国真存在海集落 

      蛇魚村少年部会 

      会員(家出旅行中)

 通行人 数十名。


*********



 ガシリ、ズシリ、ベッタリ。

 ズルズル、ズルズル。

 

 〈ねーねー、なんで今すぐは駄目なの?早くメイに会いに行こうよー。なんでスアハが、無人ハグの言い付けを守らないと駄目なの?フンドシのお兄さぁん、〉


 ブンブン!


 〈うっ、動くな!、駄目だ。一人で出掛けたら、また、汚い川にはまって数日寝込む事になるぞ。それから、腰から手を離せ〉


 〈ヤダヤダ!どっちも嫌だぁ!、離したら、ヴェクト達みたいに置いてくでしょう?それに具合悪くなったの、スアハの所為じゃない!!土の道より水の道の方が、速く動けると思ったんだもん!なんでここの川はどれもあんなに汚いの?それにあのお水、無人ハグ達は飲んでるんだよ!信じられない!〉


 ズルズル、ズル。


 〈分かった。明日の朝一番でここは出発するから。まずは手を離せ。腰が抜けそうだ〉


 〈ヤダヤダー!!今すぐ行ーこーうよおー!!〉


 ブンブン!みしりっ!


 〈っ・・・・!、では、私ではなく、ここの上級士官へ許可を取れ、だから、離せ!〉


 〈ヴヴヴヴ、ヴヴヴヴ〉



**



 ガシリ、ズシリ、ベッタリ。


 ズルズル、ズルズル、ズルズル。

 ザワザワ、ザワザワ、ヒソヒソ。


 「・・・獣人の少年、たしか、スアハ君。そろそろ離してはくれないか?」

 

 〈フンドシが、あんたが良いって言ったら、メイの所に行けるって、何回言えば通じるの?、あんた、メイより言葉が通じないね。馬鹿なんだね、哀しいね。あんなに小さなメイより言葉が通じなくて、なんでそんなに偉そうにしてるの?〉


 「・・・離しなさい。残念ながら、私は東公用語しか分からないのだ」


 ズルルル、ズルルル、ズシリ。


 〈早くー、早くー!メイの所に連れて行ってえー!!〉


 ブンブン、ブンブン!


 「止めなさい、動くな!腰が、抜ける、おも、」


 〈ヴヴヴヴ、ヴヴヴヴ!、

  ヤダヤダー!!ヤダヤダー!!〉


 ブンブン!ブンブン!


 グキリ!!!

 「ッづ!ぐあ!」

 ドサリ、へたり、ズル。


 〈ちょっと、寝っ転がらないでよ、おじさん〉


 「ぐっ、・・・・クソガキ、」


 ザワザワ、ザワザワ。

 ヒソヒソ、ヒソヒソ。







 その日ファルド国内王城では、人々の憧れの最上級士官へ銀色の髪の美しい少年が抱きついていた。道行く者達は、その光景にある疑念を抱き噂を広め始める。現在は様々な憶測により、彼の趣味趣向は少女愛好家だと落ち着いていたが、過去から噂される少年愛好家説、それが再浮上し一部の世間を賑わせている。

  

 

*********


 出演

 20歳女性 専門学校学生(休学中)

 26歳男性 ガーランド入国管理局入国者認定室長

      東方同盟保障条約課

      特殊機動隊 分隊長 兼務

 27歳男性 ファルド公安第四旅団 局長 



*********



 カサカサ。


 『サンドイッチだ!おいしそう!』


 ニコリ!


 コクリ。

 (ハァハァ、ハァハァ、笑った、落人オルが笑った)

 「食べなさい」


 『でもやはり、量がかなり多め。私はメガネ講師と半分こします。どうぞ。人間の食べ物なので、パルーラの分は残念ながら、ありません』、

 「私は食べます。センディオラさん食べなさい。これを」


 カサカサ。


 「・・・・そうか。ありがとう」

 

 パクリッ!

 もぐもぐ、もぐもぐ、もぐ・・・。


 〈?、甘いな、・・・〉

 もぐもぐ。


 〈甘いな、甘いな〉、

 『確かに、見た目がしょっぱいパンなのに、何故か野菜にジャムペースト、斬新です。牛乳だと信じて飲み込んで、それが飲むヨーグルトだった時の裏切りの衝撃。あの時の味覚の混乱と同じ感覚』


 「そういえば、お前、あんまり言葉が上達していないな?あれからも、きちんと読み書き聞く話すを、行っているか?」


 ギクリ。

 「はい。私はしています」


 「・・・・・・即答か」


 ジーーーーー・・・。

 ドキリ!ハラハラ、ドキドキ。


 「これ、うまい、ですね」ソラシ! 

 「・・・これは、美味しいですね。繰り返す」


 「これは、美味しい、ですね」


 「よし」


 「センディオラさん、ありがとう」

 ニコリ!媚び媚び!


 〈・・・・・〉、

 「ならば、これの残りはお前にやろう。甘いの、好きだろう?」


 サッ。 


 「センディオラさん・・・」

 (メガネ、何気に微妙な味のサンドイッチ、私に返却しようとしてる!、要らない要らない!しかし残すことは、今も心霊写真のようにこちらを睨み付ける、ティブ氏からの理不尽な呪いを受けそうで怖い!)


 ニコリ!汗汗。

 「それは、センディオラさんの、タァベェーテェー」

 ニコリ!媚び媚び!ヒヤヒヤ。


 ドキリ!!

 「・・・そうか。」

 ドキドキ、ドキドキ。

 (夢にまで現れた黒長鼠カラテテが、私に媚びを売っている。この絶好の人気の無い場所、触りたい。しかし、よりによってファルドの将校が居る前で、上官の婚約者を撫で回す事など、私には出来ない!クソッ!・・・ん?、なんだ?、奴、こちらへ殺気を飛ばしているのか?) 

 ギラリ!(上等だ!)


 「・・・・」

 (邪魔者め、私の落人オルを、邪な目で舐め回すように見るな!奴が居なければ、再びこの森の中で、落人オルを楽しめたというのに。竜騎士め!消えろ!!消えろ!!消えろ!!消えろ!!消えろ!!)

 ギロリ!


 バチリ!!!


 バチバチ!!バチバチ!!


 『ああああ、やっぱ無理、甘さで身体が震えてきた。南国フルーツの恐怖が蘇る。お水、お水を飲みに行こう、』


 たたたたたた・・・。


 バチバチ、バチバチ、ギラギラ!!!


 「グルディ・オーサ基地は、宜しいのですか?彼女は私の生徒。この先は、お忙しい将軍に変わり、私一人で案内しますが?」

 「結構だ。落人オルを管理することは、グルディ・オーサ領内の私の勤めである。貴殿こそ、自分の役目に戻ると良い」


 ((遠ざけた?・・・こいつ、何かの企みを感じる!))


 ーーハッ!!


 ((まさか、この森で、私のアレに、良からぬ事を、考えているのでは!?))


 バチバチ、バチバチ、ギラギラ!!! 


 (東ファルドの変態は、ヴァルヴォアールだけではなかった)

 (黒竜騎士が、私の落人オルに手を出したと聞いたが、部下であるこの者も)


 ((守らなければ、真の敵はあいつだ!))


 ギラギラ、ギラギラ、

 バチバチ、バチバチ・・・。

 







 愛玩動物に対して、同じ感覚を持ち合わせた二人の男は同属嫌悪にお互いを牽制し合う。この後、未確認落下物体の発見に盛り上がった少女の行動をサポートするため、良い人ぶりを競い合う事となる。

 



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