12 越度 12
広大な訓練所に面した窓の外から聞こえるのは、刃のぶつかる金属音。馬犬騎乗戦の模擬試合である。対竜騎士戦を考えて、訓練塔の三階部分に渡された木造の橋の上からの槍の投擲。それを盾で受け止め躱す、上空からの攻撃を防ぐ訓練となっている。新兵に限らず、団長を始め騎士団は五十年前から上空への攻撃を視野に入れた訓練を強化しており、上空特化部隊も編制されていた。
フロウは塔の二階からそれを見ていたが、橋の隅、兵士達の訓練を必ず視察している大聖堂院の研究員と魔法士に青い瞳を移した。彼等は常に戦闘技術や試合内容の情報を魔石に転写して、大聖堂院へ持ち帰るのだ。研究結果は、最終的にファルド帝国に役立つものがどうかも分からない。院長であるエミー・オーラがそれも開示しないのだ。これは一部の貴族院も容認している事だが、フロウは彼等が騎士団の訓練施設に入る事が気に入らなかった。
「団長」
第九師団に属する隊員が、階下を見下ろすフロウに報告にやって来た。その内容は、街中の視察中に第一師団の行進に目もくれずに背を向けた、不自然な天教院の一行の調査結果だ。
このファルド帝国内に於いて、第一師団の視察に足を止めない者はいないのだ。トライド方面の田舎から出てくればなおの事である。熱い声援と眼差し、それを馬犬から見下ろす中、避けるように背を向けた者達が目立たないはずがない。一行に気付いたのはフロウだけでなく、不自然な信徒を独自に調べた隊員が、彼等は天教会北方派に向かった事を突き止めた。
「その途中、アミノ地方の貴族から使用人を数人連れ去ったそうです」
「使用人?」
「はい。元獣人奴隷、今は使用人として職を与えていたそうです」
それに国内事情を察したフロウは、使用人の現在の立場を理解する。
「その貴族から〔使用人〕が連れ去られて、被害届けが出されたのか?」
「いえ。目撃者の話では、子供を含め五名程いたそうですが、今のところ、連れ去りの被害届けは出ていません」
心に疚しきところがある者は、天教院へ逃げた者を追うことはしない。今回、フロウ達に背を向けた勇気ある天教院信者が、貴族からその者達を離し、教会に逃げ込んだのだろう。多くは無いが、北方派が強行に元奴隷を説得する事は無くはない。それをあえてフロウに報告した部下を訝しみ振り返った。
「その信者の代表は北方人の巫女で、子供のようだったとの証言があります」
「北方の子供、」
「はい。その子供は、使用人を連れた貴族だけでなく、周囲でそれを見守る者達へも、脅迫と取れる内容を口にしたそうです」
ーー興味深い。
フロウは日頃冷静な表情の隊員が、少し高揚している事に気が付いた。
「団長を始め、エスティオーサ公爵、ラウド公爵の名を上げた後、自身をミギノ・メイ・カミナと名乗り、メアー・オーラ師団長に、奴隷保護法の是非を問えと言ったとか」
「ミギノ・メイ・カミナ」
「その巫女、グルディ・オーサ基地で玉狩りが連れて来たあの少女、ミギノ・カミナメイと同一人物と考えます。先ごろ噂になっている、トライド領での天上の巫女、恐らくそれも同一かと」
後からやって来たエスク・ユベルヴァールは、更に仕入れた情報を確信に変えた。
「トライド王国領、ガーランド国境線に近い小さな村の宿屋の宿泊記録です。その天上の巫女が獰猛な獣人二人と数人の供と宿泊した詳細ですが、獰猛な二人の他、更に獣人の子供が二人、その他一人は恐らく玉狩り、一人が北方人の男、あとの二人は従者の身形を装ってはいたようですが、異国の警護人に見えたそうです」
「異国の警護人、ですか」
「長い髪は黒色、瞳は金、男女共に高い鼻梁と骨太の長い手足。恐らく、ガーランドの者でしょう」
「竜騎士!?」
先に報告に来ていた隊員は驚愕し、それを敵として訓練している窓の外、未だ上空からの投擲を完全に防ぐ事が出来ない班の、負けが決まって落胆の声が漏れていた。
「しかし、そんな報告は、それに飛竜の目撃情報もありません、」
「竜騎士が潜入したとして、飛竜を隠す場所は無い。恐らく単身で入るだろう。だが今回の入国は、間諜では無い事が気になります」
エスクの懸念にフロウは頷き「天上の巫女」と、呟いた。
「エールダー公家との関わりを口にした、ミギノ・カミナメイ。あの者は危険です」
以前から変わらないエスクの見解。だが今回は冷やかしでは無い進言だ。
「だがエールダー公家と双頭鳥を示したと言うことは、少なくとも大聖堂院とは反する者とも言える」
少女ミギノを追って北方大陸まで潜入したエスクは、後に彼女と遭遇したメアー・オーラとの印象の違いに違和感を持ち続けている。エスクの懸念するミギノと、フロウとメアーのミギノは別人の様に違うのだ。子供とは思えない物言い、そして敵となる将の隣に並び、エスクの命を救った少女。
北方では天上の巫女として重用、ガーランドでは黒竜騎士の婚約者、グルディ・オーサ基地でフロウに言葉を学んでいた無知な子供、白狐に剣を突き付け、エスクを助けた少女ミギノは、全て同一人物だという。
「ですが、危険です」
北方とガーランドの企みと考えても、その企みの内容が全く分からない。各国に諜報機関が存在し、それぞれに情報の為に潜入もしているが、ミギノは巫女として隠れもせずにやって来た。行動もトライド王国で奉仕活動の最中に破落戸に追われて逃げたというが、その内容もファルド帝国の英雄オルディオールを讃えた事によるものだという。
「確かに、エールダー公家への好意的な関与は否定しませんが、意図が不明です」
珍しく食い下がる慎重なエスク。彼は常日頃、職務への不満や愚痴を隠さず上官へ申告するが、命令や任務に否定的な意見を言わないのだ。だが今回、少女ミギノに関しては初めから関与を懸念し続けている。
怪しむべき敵として捕らえ、如何なる手段を用いても少女を調べ上げた方が良いと意見を述べるほどに。その為に使える手段も用意があると言った。
「だがこちらが予定していた、北方への足掛かりへの利用に関しては、本人の同意なしに利用出来た。メアー・オーラ師団長は、エスクランザ国でミギノが役に立ったと言っていたぞ」
天上の巫女の存在が、断絶していた国交の水面下の交渉に至ったのだ。これにはエスクも口をつぐむ。
「お前の懸念はもちろん理解する。だが、ミギノが初めに現れたのは、間違いなくこのファルド帝国の領地。今は未だ属国だがグルディ・オーサ領に現れたのだ。落人容疑ではなく、天教院が崇める天上人として、その存在を認めても悪くない」
「・・・・」
「しかも、既に巷では、私とガーランドの黒竜騎士が、その小さな巫女を奪い合って次の戦が起こるとまで噂になっている」
「・・・・、」
元から流れていたフロウの国内幼児愛好疑惑、そしてグルディ・オーサ基地での部下の周知する幼児愛好事実。尾ひれがついてそれは今や国外へまで流出している。
「なので私は、それを事実にしようと思う」
「え?」「ハ?」
最上官への不敬を咳払いでエスクは誤魔化したが、共に聞いた隊員は愕然と口を開けたままだ。
「私が第一師団騎士団長として、先代の呪いを受け継いでいる事は知っているだろう?二十九歳未婚。このままではそれが現実になりそうだ。英雄オルディオール殿の様に、妻候補の家の争いが未だに終わらない」
「団長、」
「今回、単身でファルド帝国に戻ったということは、非情冷血漢オゥストロから、逃げ出して来たのだろう」
「ヴァルヴォアール将軍閣下、」
「しかし、残念なことは、私を頼らずにメアー・オーラ公爵を指名したことだな。やはり、ヴァルヴォアールという家名の壁が大きいのか」
「・・・・」
「団長、ですが、」
「非情なるガーランド黒竜騎士の元から逃げ出した、天上人の巫女ミギノが、ファルド帝国に戻ったのだ」
「「!?」」
「そして、最愛なる婚約者、フロウ・ルイン・ヴァルヴォアールの元に戻ったと、そう、国内外へ宣布せよ」
**
「あれが巫女一行の潜伏先の教会です。ん?団長、あれを!」
深夜から早朝にかけて、天上人の巫女奪還は計画された。翌日から軍の宣布に巫女ミギノがファルド帝国に帰って来た噂話が流れ出る。その前に少女を捕獲しようとフロウが自らやって来た。だが急襲する事もなく、少女ミギノは一人で暗闇の外に自ら出て来たのだ。
少女といえど、未婚の女性が一人で薄暗い外、暗闇に無用心に出てはいけない。しかし黒髪の少女は伸び伸びと呑気に身体を左右に揺らすと、人気の無い教会の外周に沿って走り始めた。
「・・・・」
「・・・団長、あれは」
何かの罠ですか?その言葉は少女を速やかに確保するために配備した、背後の隊員達からは出なかった。どう見ても、少女は無防備に息を切らせて走っている。走る前に左右前後に身体を曲げた事を見ても、何も考えず危険な暗い街道で体力作りを始めた様にしか見えなかった。
「門がまた開きました、」
「騎士か?」
「・・・・いえ、猫です」
「・・・そうか」
気の抜ける状況。人を一人攫おうと班を編制したが、目的は自ら外に出て来た。しかも見張りは一人も居なく、唯一の目撃者は黒猫一匹。
「・・・作戦は変更だ。あれを確保したら、そのままヴァルヴォアールの別邸に入る。教会への侵入は中止。竜騎士は見張りに留めろ」
了承に頷き散らばる隊員達、フロウは上着を馬犬にかけると軽く走りながら少女の背後に走り寄った。
*
暗闇に一人、怪しく忍んで出て行ったメイを見ていた数人。軽装の少女が奇妙に身体をぐねぐね曲げて、そして走り出したのを全て見ていた。トラーは共に伴走を考えて躊躇って足を止める。昨日の夜、厠に起きたメイに付き添うと、彼女はそれを頑なに拒否したのだ。立ち止まったままのトラー、その横を通り過ぎた黒猫の頭の上には、青い精霊がちょこんと乗っていた。
(こそこそと動き出したかと思えば、走り込みか)
オルディオールがメイに命じた体力作り、それを自ら再開したことを褒めるべきか、ファルド帝国では止めるべきかを悩んだ事が失敗だった。
門から少し遠離った黒髪の少女。その後ろに金髪の背の高い男が走り寄る。
(あれは、まさか、ヴァルヴォアールか?)
オルディオールの想定外、まさかこんなに早く騎士団が動き出すとは思っていなかった。男はあっという間に少女の背後に回り込み、親しげに何かを話し掛けた。
(まずい、逃げろ!)
出せない声でメイの背中に叫び、黒猫を走らせる為に頭で弾む。合図に猫は素早く走り出したが、目の前の間抜けな少女は不審に現れたフロウに自ら愛想をふって、速やかに攫われて行った。
(あいつ・・・、今まで俺と一緒に会議に出てたよな?ヴァルヴォアールの野郎は、躱すって、何回か口にしてたよな?)
文字通り一心同体のはずの黒髪の少女は、オルディオール達の会話の内容を概容でしか捉えてはいない。その他は故郷の出来事を妄想しがちなのだ。話は半分程にしか聞いても理解もしていないメイは、オルディオールが散々ヴァルヴォアール公爵は避けようと口にしていた内容を聞き飛ばしていた。
(トラー、あの根暗、は、昨日の件で後追いを躊躇しやがって、玉狩りは肝心な刻に使えねえし!)
全速力で走る騎士団の馬犬の速度に黒猫が追いつけるはずも無く、ぐんぐんと離される。
(ファルドで離されるとか、本当にやめてくれ、クソガキ!)
白んで来た空に朝日が近寄って来た頃、黒猫は疲労に追う足を緩めた。もう川沿いを駆ける黒い馬犬の姿は、遙か彼方となり見えない。
(くそ、しょうがねえ、)
教会に戻る踵を返そうと青い玉が振り向いたその横を、まだ薄暗い道、猫が気配を察知出来なかった者達が風のように駆け抜けた。
(なんだ!?)
黒猫と共に通り過ぎた影に目をこらす。先頭の者には毛並みの良い尾が振られ、続く者は外套を纏わずに銀色の長い髪が揺れた。走り去る彼等の背中は瞬く間に薄暗い闇へ消えていく。
(あいつら・・・)
少女を追った者の正体は分かったが、オルディオールはそれを追わずに教会に戻る事にした。彼等の速度は馬犬以上。とても黒猫で追いつける速さでは無い。アラフィアへ緊急事態の報告に、まだ朝日の現れない薄闇を黒猫と共に進んだ。
*
身体の鍛錬に一人走る少女を窓から観察していたアピーは、突然現れた不審者に連れ去られた事に驚いて、窓から飛び降りそれを追った。ほどなく背後に感じた気配に自分を虐める魚族の少年だと分かったが、今は無視して攫われた少女を追う事に集中する。
(ミギノ、)
途中で黒猫とオルディオールを見かけたが、話す暇も無いので走り続けた。馬犬の爪音、息遣い、臭い、遮蔽物で姿が目の前に見えなくても、静かな早朝の薄闇、アピーは駆ける馬犬を正確に捉える事が出来た。しばらく走り続けると、大きな屋敷の一つに入り込む。休む間もなく黒い馬犬から飛び降りた男は屋敷の中に踏み込むと、階段を上がり少女を部屋の一つに閉じこめた。
〈で?メイはどこ?〉
ぶっきらぼうに後ろで呟いた少年に、アピーもそれを負けずに睨み返してみたが〈シィッ!〉と、理不尽に脅されて恐怖に耳がへたりと伏せられる。そして直ぐに部屋の一つを指さした。見上げた銀色の髪のスアハは、無言で窓の下の近くの塀を乗り越えて、そのまま垂直の壁を爪で掴んで登り始める。攫われたメイが閉じ込められて間もなく、スアハは窓をトントンと叩くと躊躇無く硝子を砕いて侵入した。
*
何の労も無く、拍子抜けに目的の少女が手に入った。これから彼女と交渉し、供の者達の素性の裏を取り捕らえる。少女がこちらの手の内にある以上、交渉は速やかにいくだろう。そして昼前には、国内中にヴァルヴォアール家が稀なる天上の巫女を迎えた事が広まり、更に翌日にはガーランド竜王国、更に翌日には北方大陸に知れ渡るだろう。噂でしか聞いたことのない黒竜騎士、その男が婚約者だと公言している巫女を手中に収めたのだ。
(政治的利用の婚約者であろうが、奪われた事実は屈辱には違いない)
フロウは会ったことも無い好敵手の苛立ちを想像し、自然に酷薄な笑みが漏れた。
「彼女に朝食の用意を。・・・そうだな、クラウ用にペアの実を付けてくれ。色は青以外で」
少女が基地で食していたのを思い出し、気休めに給仕にそれを付けろと命じた。だがその刻、厳重に施錠したばかりの部屋の中から硝子が割れる大きな音がした。
「まさか!」
慌ててフロウは幾重にも掛けた鍵を外して扉を開く。
ーーーバァン!
「ばかな、」
肩で押し開ける様に飛び込んだ、客間の窓が粉々に割れている。街中を流れる大きな川に面した硝子窓からは逃げる事が出来ない。そう考えてこの部屋に閉じこめたのだ。水深は深く流れも速い川は足場が一切無い石の堀。泳ぎが得意な者でもこの川では泳がない。飛び込む者は、死を覚悟した身投げする者くらいなのだから。
しかし大きな川に面した窓の他に出入り口は、フロウが今、鍵を開けて押し入った扉しか無いのだ。内側に散乱する硝子は間違いなく外から破壊された跡、それに目を眇めたフロウは割れた窓から階下に流れる急流の川を見て、捕らえた者の居なくなった部屋を後にした。
*********
心なしかくたびれた黒猫と青い玉は、とぼとぼと川沿いの道を歩き戻る。建ち並ぶ家々、仕事を始めた者達は、灯りを点して水場の作業に取り掛かり始め、煙突から煙の筋が見え始めた。教会へ戻る道すがら、朝食前に祈りを捧げる熱心な信徒の姿がぽつりぽつりと歩いている。それを横目にオルディオールは、目の前に見えてきた教会に溜め息を吐いた。
(・・・ん?)
黒猫が川を気にして首を向けたので、つられてオルディオールもそこを見た。水面に大きな影が物凄い速さで突き進む。川の流れに逆らっているのに、速度は尋常ではない。その異様な光景は巨大魚かと訝しんだ瞬間に、沿道に大きな水飛沫と共に跳び上がって陸に打ち上げられた。
『ハァッハァッハァッハァッ、』
(メイッ!・・・え?、)
水をかぶって細くなった哀れな姿、現れたメイ本人に驚愕したオルディオールは、半刻にも満たない速さで攫われ戻った少女に思考が停止した。そして硬直した黒猫と青い玉を置き去りに、スアハはメイを教会の裏手に連れ込み去って行く。
(あ、・・・魚のガキが、連れ戻したのか?)
呆然としたオルディオールの背後から少し離れた場所、アピーが走って戻ってくる。それで我に返った玉は走る少女の後ろを覗き込んだ。追っ手は無い、今は未だ。しかし連れ去ったフロウがこの茶番を放置するとは思えなかった。黒猫を急がせてアラフィアに直ぐに報告しなければならない。
〈臭い臭い!ほら、メイも臭いの落とそうね〉
庭の裏手、スアハの騒ぐ声を頼りに草むらから飛び出た黒猫を踏み台に、オルディオールはメイに向かって飛び込んだ。
「移動するぞ。直ぐにヴァルヴォアールが来る、」
「ご無事でしたか!!」
草塀を越えてトラーが驚愕し駆け寄ってきた。彼がメイから離れていた事情を知っているオルディオールは何も言わなかったが、トラーはオルディオール同様に別の道で攫われた少女を追い見失っていた。土地勘が無いので深追いを止め、アラフィアへの報告に引き返して今になる。
「待て、だから何の話だ!?」
状況が一人全く理解出来ていないアラフィアは、それぞれを見て困惑していたが、黒髪の少女は「後で説明する」と、短く告げて移動を促した。
「見張りは居たか?」
「教会周辺に居た、数名の見張りは動きを封じてあります」
メイを攫われ失敗したトラーは、途中まで追う道すがら、周辺に配置されていた兵を襲い拘束していた。それで多少の足止めになるだろうとオルディオールも頷く。いつの間にか戻っていたアピーと共に、荷物を取りに部屋へと戻る。同じく状況を把握出来ていないエスフォロスとエルヴィーを叩き起こして、黒髪の少女は何事かと現れた神官に不義理を詫びた。
そして一行は、慌ただしく北方派の教会を後にする事となった。




