30・魔界の進出戦~序~
「……はいおっはよ、おぉぉぉぉぉ!?」
「遅いじゃないの…流星レオ」
「天使の彼女連れかい、レオ!まぁ、僕にはそんなのどうでもいいんだけど、サ!」
レオが目を覚ますと、寮はボロボロ、かろうじてレオの部屋の基盤が残っているだけとなっている。ほかは瓦礫などで目も当てられない。
「…ん?そいつ、大天使とか言う奴じゃん……よし」
「…あいつキモイ」
「同感よ。早く追っ払っちゃいましょ」
「…所で、俺が寝てる間お前とか連隊の仲間はどうしてたんだよ」
「皆出てって、外で戦闘中よ。私が守備を任されたの」
「お仕事お疲れ様です」
「…あのさァ、リア充会話やめてくんない?僕が哀れに思えてくるんでさ。まあ、僕だっているんだけどね…」
「喋ってる暇があったらこっち来いよ!てか先手打つぞ!」
その声と同時に素早く武器を装備し、服装を整え、準備完了。────ネクロ・ディーラと向き合った。
「キュバー!援護よろしく!」
「…はいはい」
「こっち突っ込んできたら死ぬと思うよ?『ヘル・サテライト』!」
彼の手から出現した魔法陣から、淡い青色を放つ玉が大量に発生する。それが、レオを飲み込む───直前。
「はぁ、こいつも弱い……『ゴート・シャイン』『ヘル・コート』… 【ホーリーウィング】よ」
「…そんな…手数では勝っているのに……まさか、まさか」
「うるせぇぇぇぇ!」
魔法同士がぶつかりあった煙の中から、レオが猛ダッシュでネクロに突っ込み、短剣を奴の心臓へ。
「がほっ…」
「…またしばらくおさらばだな」
「キモイからこっちみんな」
───まぁ、こんな事では僕は死なない。
もう1度。その時に君は死ぬだろう。
それまで、表立っては行動しないようにしよう。
──感染で気を高くした人が、自分より強い者にあって、何度も負ける。
狂ったって、当然だろ。それぐらい、愚痴らせてよ。
流星レオ。
必ず、僕が支配してやる。




