2・狩猟
「オラオラおらァ!」
一人の少年の怒声が響く。草原に。
「「「「「ジャァァァァッ!」」」」」
大群の魔獣が、叫び、こちらに向かってくる。その数、約二十頭。
連隊は五人。四倍だ。
普通の連隊なら、圧倒的物量に苦戦していることだろう。「普通」なら。
「……ヘル・ウィンド」
「!!?」
「余所見すんなよっ!」
少年、「流星レオ」の双剣が猛威を振るう。圧倒的物量に、圧倒的質量で。
先程、魔法を放った少女、「ユリー」。
彼女は、既に次の魔法を派手にぶちかましている。
そして、その間を縫って────
「えいやっ!それ!」
矢が、豪雨の如く圧倒的物量、「ハウンド」、群れをなす魔犬に襲いかかる。
「グガァァァァ!」
その包囲網を突破した、一匹の大魔犬、「ヘルハウンド」、群れのボスが、先程矢を放った「亜矢」に、牙を向く。その直前、
「はぁぁぁぁぁっ!」
飛び出した隊長、「リュウ」の使う剣が、光を纏い、その光は剣から弾き出されるように魔獣を攻撃。
「バウウゥゥゥ……」
その一撃に、ヘルハウンドは沈黙。無力化された。
「ハウンドの頭はとった!後は任せる!」
「おうおう!」
今まで一度も武器を振るう機会を与えられなかった、「ケン」が地面を蹴り、飛び出した。
「ガウウウゥゥゥゥッ!」
全ての魔犬を見下ろしながら、こう、叫んだ。
「パワー・スマッシャァァァ!」
彼のもつ斧は、殺害を目的とした威力を持って、衝撃を、魔犬達に届ける。
「__________ッ」
断末魔を上げる間もなく、魔犬達は力尽きる。
この戦いは、「流星レオ」、「亜矢」、「ケン」、「リュウ」、「ユリー」所属する、
「B-3」連隊の勝利だ。
次回から、本格的に色々とやるので、見捨てないで下さい(´;ω;`)