28・少女の笑顔
「……ひでぇ有様だな」
「そう…だな」
ここはデフォル。前の都市から戻り、帰って来たら……。
「……や、騎士連隊いるから無事は無事っぽいけどな」
「……ひどいぃ」
「血腥い……ね」
「そうね……これが地上の殺戮とかいうものなのね」
───高層の建物には血が張り付いている。瓦礫で街もひどい有様だ。
ラヴァーに捕まらなければ、もう少し前、ディーラが襲撃を掛ける所についていたのだろうが。
「とりま、俺の部屋集合」
「「「「はーい」」」」
俺はレオ。
──今、寮に着いた、が。
「寮もかなり荒れてんなぁ……壁中血と穴だらけだ」
そう思いながらも、寮の玄関を開け、階段を登り、廊下を通って部屋の前へ。
「ふぅ……ただ───」
「先輩、お帰りなさい!」
「……なんでいんの」
「だってここ、先輩と私の愛の巣じゃないで「変なこと言うなよ…全く」
いつもの事だか、シズクが部屋に居るのをどうでも良く思い、アイスボックスを開け、コーラを取り出した。
「…ぷはぁぁぁ、これに限る」
「それなら先輩これからコーラ風呂沸かすので一緒に「遠慮しとくよ」
「……」
「ん?どした?」
いつもなら何か言うのだが、何故か黙りこくっている。
……ま、さ、か。
「…あのー、告白とかだったら別にお断りしかしないけど」
「……ぇ」
「…………その、悪い」
「あ……あぁ…」
シズクが青ざめている。顔も泣きそうで、なんというか、
「……可愛い」
───それ、こっちのセリフ。
「は?」
気付けば、秒速でシズクに壁ドンを喰らった。
「……こんな所まで来て、先輩との関係が壊れるのは嫌です」
「お、おう」
「なので、単刀直入にいいます……。────す、好きです!先輩!」
正直、嬉しい。そもそも、こんな短期間で女子に二回も告られるなんてどこの都合良すぎ小説だよ。
──でも、返事は変わらないのは、多分シズクもしってると思う。
「……ごめん」
「…………うぐっ」
「…なんか、悪いな。……俺の事でこんなに悩んでくれて」
「ふええぇぇぇんんん」
「……でも、やっぱり好きな人がいるんだ」
「──先輩は悪くありません。こんな、先輩に悪い気をさせてしまって」
「いいんだよ……まぁ、俺は嬉しいけど」
「本当ですか?……ホントの、ほんとに?」
「ああ。こんな出来損ない、好かれる方が可笑しいんだ。先輩とか、レオって呼んでくれるのが、すっげぇ嬉しくてさ」
「……過去、ですか?」
「…………そう、だな。まぁ、辛かった」
「……私の胸貸します。先輩涙ぐんでますよ?」
「……それするとおこられるんでごめん」
「わかりました。……では、触りますか?勿論服越しじゃなくて生で」
「もっとアウトだろ」
「先輩、眠いです。抱いてください」
「あいよ、ソファでいいか?」
「…………はい!」
「「「「完璧恋人だろ!!!!!」」」」
────その後、その光景をこっそり見ていた仲間に怒られた。
復活!
これからもよろです