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クライアル・ストーリー  作者: ホーリー。
StoryⅠ 平和の崩壊
26/34

25・病娘の軌跡

「ねぇ、花恋ちゃん」

「んー?なぁに?」

「やっぱ…可愛い」

「んー!ありがとぉー!」


都内某所。

大通りを歩く人々の中、異質なカップルがいた。

片方キモオタ、片方超絶可愛い高校生。

「俺みたいな奴ともデートしてくれるなんて……今なら死んでもいいかも」

「嬉しいなぁ。ふふふ、ありがと」






その夜。

「ばいばーい」

「またねぇー……ああまじやってらんないし、何であんな豚オタクとデートしなきゃいけないんだし」


結実花恋。みのりかれんと読む。

彼女はある家庭の事情により、こうしてデート等でお金を稼がなければいけない。理由は単純。



───社長の父親が、ギャンブルにハマったからだ。



何も知らない彼女の家に、借金取りが押しかけるのを見て、倒れそうだったのを覚えている。



「はああぁぁ……ん?」

コンビニを発見。

「さて、今日も……」




「いらっしゃいませ」


静かな音を立て、自動ドアが閉まる。

「さて」

手当り次第にお菓子や飲み物をカゴに入れ、雑誌やカップ麺をカゴ3つにいっぱい入れた。

「お、おいあの女やばいぞ」

と、レジのおっさんが隣の新人の大学生らしい人に囁いている。




「お客様、レジはこちら──」



店員の静止も聞かず、自動ドアを抜けて走り出す。

もう何回目だろうか。

学校にも行かず、勉強もせず、ただ近くの野良男とデートして金稼いで万引きして家に帰る。はっきりいって、顔が良くなきゃ生きていけないだろう。


玄関につき、扉を開け、自分の部屋までダッシュ。エレベーターを使い、また廊下を進む。


「はぁ……はぁ……」

自分の部屋に着き、ドアを閉め、ベットに飛び乗る。何故か父親が豪邸だけ売らないのが唯一の救いか。


近くにあるノートパソコンを引っ張り、警察のサイトを確認。

万引き情報は…載っていた。


『7月30日午後9時31分、女子高生と思われる女性が万引きをしました』


「はぁぁ……」



ページを閉じ、ノーパソも閉じる。


そして眠くなったので瞼も閉じる。


──もう、死んでしまおうか。

せめて、こんな私を、誰か、愛して…。





夢を見る。


アニメで観たような、空間の裂け目。


それは 、何か私を引き付けるようで。



そこに


自分から


飛び込んでいった。




『ルシフェル…私の名前よ。貴方と契約する…堕天使よ。私の力…堕愛…貴方にあげるわ』







────目が覚めた時、硬い地面の感触がした。


「ふぇ!?」

『目が覚めたみたいね』

「あ…あなたは?」

『私は堕天使「ルシフェル」よ』

「……ここは?」

『貴方が住んでる…まぁ、次元とは違うでしょうね』

「ええぇっ!?」

『全く…こんなに驚く事ないじゃない』


落ち着いて辺りを見回す。

周りは森林。誰もいない。落ち着け。私。


……何か自分の中から湧き出てくる。


──欲望。

──渇愛。

──嫉妬。

──狂愛。

──性欲。

──絶望。


『これが私の「堕愛」…強すぎたな』

「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」





────今さっきまで在った筈の清楚な女子高生は何処にも無くて。





そこに在ったのは、ただの性欲の塊。憎愛の具現化。狂気的な目をした───





「あああぁぁぁ、あ?……私は、誰?」


『決まってる。───世界から愛され、森羅万象から愛され、全てのものから羨望の眼差しを浴びる物だ』




「名前はあああぁぁぁ!!!!???」




『ラヴァー・モア、君の名前はラヴァー・モアだ』





異世界の堕天使から与えられた力は、







───結実花恋という1人の運命を変えるには、充分だった、いや、充分過ぎた。


ついに本編に戻ります

本編書くの楽しみです(棒)


ラヴァーの過去なげぇよふざけ(殴


次回戦闘回。

お楽しみに。


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