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クライアル・ストーリー  作者: ホーリー。
StoryⅠ 平和の崩壊
21/34

20・死者

まだ、レオが少年だった頃。

レオの故郷『ナスカ』は、そこそこの規模を持つ町だった。


「れーお!早く行こうよ!」

「...ふぁ、分かったよ...」

幼き頃のレオと亜矢。近くの林に何時ものように探検ごっこしにいく時だ。

「レオ。ちゃんと帰ってくるんだよ?」

「分かってるって母さん行ってくるよ!」

「行ってきます!レオのお母さん!」

「はいはい」






「……はぁ、はぁ...ようやく着いたぁ」

「……そうだなぁ」

鬱蒼と茂った木々をかき分け、レオ達は進む。


「きゃっ!...」

「ただの...うん、ただの『グディ』だよ」

『グディ』。

蝙蝠に蜘蛛の脚がついたような魔物。

銀貨一枚の価値もない。




「……なに、あれ?」




「…………?」


ふと目を上げると、少し広い場所に、空間の裂け目がある。

「学校で習ったけど……何だろう、淀みを感じる」


「注意して」



────刹那。






「アハハハハハッ!」


「「!?」」

謎の声と共に、




────死者の行進が始まった。




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