17・冥府の堅門
アフレイドと名乗った少女と対面。
必殺でもある斧特攻を、斧ごと粉砕された。
これでは、勝ち目がない。相手は悪魔。魔法も充分。相手はヴァルキリー。物理的にも強力。
それに対して、ケンは、斧はない、魔法もそれなりと、勝てる要素が、爆破工作しかないと結論づけていた。
やはり、工作員1人の戦闘はほぼ不可能。
離脱用の魔力はない。
「……なら」
────自爆あるのみ、と言っておこう。
「うおおおおぉぉぉぉぉっっっっっ!」
「?」
ケンの武装内に装着した爆弾が、一斉に破滅へのタイムリミットを告げ始める。
アフレイド、標的はただ1人、傷がつけられればいい。せめて、足止めになれば────
「…死んだものとして数えられるのは、嫌だねぇ」
「!?」
そんな目論見、希望論は、ことごとく打ち消された。
「あら、ディーラ、復活できたの」
「もちろん、感染者の魂があれば、ね」
────まじかよ。
つまり、『デフォル』の感染者を一掃しなければ。
...こいつは、リスポーンできるのだ。
「さて、そろそろいいかな」
「……ああ、悪いがな、アフレイド、ネクロ」
「何かしら」
「俺と、ここで散れええええぇぇぇぇぇ!」
────一斉に爆発した爆弾が、クレーターの中心部にまたクレーターを作った。
「……終わった」
「…先輩。もう無理」
「……ぁ」
サーペントバウを倒した3人組。
────試練は、終わらない。
「────さて、何時ぶりだろうか、汝の、『冥府地獄』、使わせてもらおう」
『冥府地獄』。
過去に王国等を襲った、大災害。
冥界とこの世をつなぐゲートを開く。
────大災害が、再び起こる。




