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11・ゴブリンキラー
「流星、レオ?」
私、ラヴァーの所に不可解な伝えが来たのは、何年も前だ。
「はい。…。」
「……ま、さ、か」
そこで一呼吸置いて、
「…ついに、…ついに…私の…願いが、あ、ぁ、か、なう…?」
私の魔性に操られた人形の通達により、与えた魔性の種で操作出来ない人間がいると、言われた。
「私の、私の真愛が…届く人が、い、る?」
それは、魔界の侵略軍に入る、ただ一つの理由だった。そのせいで死んでも構わない。死ぬ?怖くない。愛?ほしい。
「…その人は?どこにいるの?」
それが、ラヴァー・モアが生きる、ただ一つの理由だった。
「…?」
その違和感を、レオは気にもとめなかった。
まだゴブリン村。
「矢ばっか飛んできやがる!...違う!これ槍だ!」
ゴブリンは原始的な戦闘を好む。故に、ダメージがでかい攻撃を仕掛けてくる。
「ヘル・アレク!」
ユリーの雷系統呪文が炸裂する。しかし、ゴブリンはまだ突撃してくる。
ゴブリンの生命力は黒い害虫より強いと言われるほどだ。
その時、ユリーがゴブリンの大軍に引っ張られていく。
「ユリーッ!」
しかしその声も虚しく、ユリーは大群に消えていった。