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10・操り人形
その後の事は、よく覚えていない。
ただ、『コネクト』で次元を破ったユリーとケンが助けてくれた。
ただ、俺以外に誰もいなかったらしい。
────ラヴァーは、何処へ?
そう、思った。
『 なんて、なんていいところなの!私だけの、あの人とのだけの、この空間!最っ高!最っ高!よ!このまま死んでもいいわぁぁ!』
────ふと、頭の中にそのような考えが浮かんだ、が、気のせいだろう。
「あぁぁ、疲れたぁ……はぁ」
「レオ!疲れてる場合じゃないだろ!がんばれよ……はぁ」
「そうよねえ……はぁ」
「もう!みんな、つかれて!私は……はぁ」
「もう出発する。準備を整えろ」
無理もない。
ここは、ゴブリンの集落……もちろん、隠密。
ゴブリンは言葉も通じるが、かなり略奪をくりかえしているためほかの種族から嫌われている。
「あ、ゴブリン」
「おい、何やってん(スパァ)」
たまたま見つかったゴブリンを沈黙させ、再び足を進めようとした瞬間。
────脳を締め尽くす、もうひとりの考えが、脳を支配した。