9・束縛
何となくの意識の微睡みから目覚めたのは、一瞬だった。
「へ?なんで?」
告白された男子中学生の如く条件反射で答える。
「……だってぇ、私の事をぉ、愛してるって言ってくれたよね?他にも、守ってくれたしぃ、だからあね?」
────いや、可愛い。可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い。
「……?」
ふと、意識がラヴァーに持って行かれそうになる。もうどうでもいい。この可愛い子の傍にいて、付き添ってあげたい。最も、それは建前でしかなく、本音はもっとそういう次元にある。うん。
「ねぇ?私の事ぉ、好きになった?」
「…うん」
「……えへ。嬉しい、な!あははは!」
本能が、警鐘を鳴らす。
このままではラヴァーの人形だ。何とか打開策を……と思ったが、
体が、動かない。
目を合わせた時から、本当に。
(やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい)
非常事態だ。
ラヴァー可愛ゆす