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名乗らせたかったんだ

ー 前回は本が勝手に擬人化していた。

擬人化という表現は正しいんだろうか。

いや、問題はそこじゃない。

よく、小説家や漫画家に先生が、人物が勝手に動くと言う表現をする事がある。

しかし俺はそう言った感覚は全くわからない人間だった。

いや、今も正直分かっていない。

これがその感覚というものなのだろうか。

俺は違うような気がしてならない。

なにか、俺に、求めている…?

なんちゃって。現実世界でそんな事があるか。

いいよな、小説の中の世界って。

俺の描く主人公が羨ましいよ。

続き…書くか。

頼むから俺の思い通りに動いてくれよ…。 ー





今までここには誰もいなかったじゃないか…。

俺1人と、本1冊。

しかし先程聞こえた声は、本の声そのものだ。

目の前に立つ女性を凝視してみる。

女性は、不思議そうに首を傾げた。


「どうかされたのですか?異世界の使者。」


「やっぱりお前が、あの本、なのか?」


「?そうですよ。この体はあの本が具現化した形です。」


…許容範囲外。頭がパンクしそう。

本は喋るし人型にもなるの…?


「はい、話をする本は、具現化もできますよ。

もっとも具現化出来るのは、その中でも力のある本だけですが。」


心を読むのはもうデフォルトらしい。

そして本?は明らかなドヤ顔でこちらを見ている。

力のある本の中でも自分の力は結構なものだと主張しているのだろう。

ファンタジー、何でもありだな。

甘んじて受け入れよう。

何て心の中では格好つけてみても顔は百面相している事だろう。

自分からは見えないから何とも言えないが。


「アンタはずっとそのままなのか?」


「いえ、お望みとあらば本に戻ることも可能ですよ。

ただ、あの場では本のままでは移動させることは不可能でしたから。」


この本が教会の中に避難させてくれたのか。


「そうか、お礼を言っておくよ。ところで俺は、アンタの事を何て呼べばいい。」


そう言えばコイツの名前を聞いていなかった。

俺もまだ名乗っていない。


「わたし、ですか?以前の主はパンドラと呼ばれていましたよ。」


パンドラ…よく聞く名だ。

開いてはいけない箱。


「え、もしかしてアンタのこと開いたのまずかったの?」


驚愕の事実??


「いえ、わたし自身は開いても何もありません。」


わたし自身は。

含みのある言い方だな。

でもまぁとりあえず今は呼び名か。


「俺もパンドラって呼んでいいの?」


「えぇ、お任せしますよ。」


「俺の名前は桐谷望。まあ、改めてよろしくな。」






ー やっと主人公の名前が出すことができた。

ヒロインらしき人物(本だけど)も登場したし、これなら次は修行編にはいれそうだ。 ー

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