思い通りに進まない
ー 更新頻度はどのくらいが良いのだろうか。
1日1話?それともかける時に書いてしまう?
どこかに下書きをしておくというのもありか。
まだまだ学ぶ事が沢山あるな。
次の話は主人公が教会の主になるところからか。 ー
「俺が、主?…ってそれはアンタの?それともこの教会の?
ってそもそも主ってなに?」
聞きたいことは山ほどあるが、反射的に口から出た言葉でまくし立てる。
だってこの教会の荒れようは1日2日どころの話じゃないし、頭がパンクしそうだ。
「あなたが主ですよ。
その、どちらも、あなたが主です。
主とはまあ、簡単に言えばこの教会の所有者で、わたしの所有者です。」
「えーっと?それはつまり何をすんの?」
「特には何も。ただ、ここがあなたの場所であり、わたしがあなたのもの。
という事が先代からあなたに引き継がれただけの話です。」
???よく分からない。
何これ、抽象的な何かなの?それとも言葉のまま受け取って良いの?
ぽかん、と口を開けたまま本を見やる。
「あまり深く気にしなくて大丈夫です。
ただ覚えておいてください。」
覚えておくって…。
俺はモヤモヤしつつも、無理やり納得した。
なんだよ、異世界漂流ものにありがちなチート的な何かだと期待したのに。
「で、アンタは何ができるの。」
もう一つの重要な事を聞いておく。
ここで、何もできません、などと答えられた日には一貫の終わり、the endである。
「多少の魔術は使えますよ。
そうですね、では、外へ出てみましょうか。」
「えっ、あそこに?あの変な奴らがうじゃうじゃいるところに?」
自分の顔が引きつるのがわかる。
「何事も練習ですよ、さあ、行きましょう。」
にっこり、本に顔があったらそんな顔をしているだろう。
俺は肩を落とし、本の指示に従った。
ギィィイ
鈍い音を立てて扉を開け放つと、先程と同じ光景が目の前に広がる。
「では、3ページをひらいてください。」
空白のページを一枚飛ばすと、先ほどは何も書かれていなかったページに
黒いインクで文字が書かれている。
5文字程度の短い単語?だ。
「読めないぞ。」
そう、文字が読めない。
確かに異世界に行くにあたって、文字や言語などに対しての懸念はあった。
言語が大丈夫なら文字も行けるんだろうと勝手に思っていたのだが。
「いえ、読む必要はありませんよ。」
本が答える。
「ただ、文字をなぞってください。」
文字を、なぞる?
たったそれだけで?
半信半疑ながらも人喰い花らしき植物に向かい、文字をなぞった。
(メ、ら…る…?)
頭の中に何かが流れ込んでくる。
ブォォオオ
その瞬間、人喰い花から火柱が上がった。
ー だんだん俺強への道が開けてきているような気がする。
主人公は努力して最強になる。
その努力の第一段階からこれなら、この主人公、世界滅ぼせんじゃねえの?
作者は俺だ
しかし、思い描いていたものとだんだん違う方向に
勝手に進んでいくディスプレイの向こう側の奴らに、少し鳥肌がたった。
どっかで修正かけないと…。
「ふぅ、メシでも食うか。」
俺はPCの電源を切った。 ー