file. 7 発端
個人的にはしっかりとした設定のつもりなのですが…
朝早く、まだ六時を過ぎた頃に特別事件対策室にはもう全てのメンバーが揃っていた。正しく言うとまだ帰っていなかった。
「はい。じゃあ今から9時までは自由だから。ご苦労様。」
「お疲れさまでした。」
鷹章の弱々しい解散の指示とともに各々がデスクに伏せた。
事の発端は前日の午後9時前、長官からの一本の電話によって起こった。
「国会議事堂で反政府組織によるテロが発生したから、メンバーを総動員してテロの鎮圧に向かってくれ。」
この一本によって鷹章は大きな事件に巻き込まれていくことになる。
現場に到着したのは午後10時前。国会議事堂の様子は一見すると何もなかったようにも見えるけど、逆に静かすぎて異様な雰囲気を放っている。
事前に知らされた情報によると、現在中には14人の国会議員と20人の秘書とその他関係者の計34人の人が人質として捕らわれている。
鷹章は議事堂の内部へと視界を広げた。彼の鷹の目は人質と5人のテロリストの姿をとらえた。テロリストは各々がライフルと一本のアサルトナイフを所持し、防弾チョッキを着用している。
そして、もっとも驚くことは5人しかいないのに、議事堂全体に気を回していて進入する好きがないことだ。もちろんこれは比喩で中に潜入することも可能だろうが、それだけの威圧感が何故か彼が鷹の目を使ったと同時に発生した。
数分後に鷹章は小型通信機で田原に連絡をとった。
「紀章、準備はできたか?」
「……はい。防犯システムを始め議事堂全体の乗っ取りは完了してます。」
「そうか。なら紀章はテロリストの動向を議事堂内のカメラで監視していてくれ。」
「了解しました。」
鷹章は田原にこう指示を出して、次にみんなに指示を出す。
「2隊と3隊は議事堂の周りに待機。4隊は裏側からの侵入を試みてくれ。1隊はは俺と一緒に表から進入する。判ったな。」
「「はっ。」」
「では作戦を開始する。散。」
そして各々の部隊が行動に移った。