file. 6 始動
遅れましたが、あけましておめでとうございます。二学期の期末考査から始まり色々な事があり更新が遅れてしまいました。
スミマセンm(_ _)m
これからも時間は少ないですが、確実に更新していきたいです。
〜某国某所〜
とても人の気配のしない深い森の中に一つの古いがあるいは趣をも感じる洋館が建っていた。
その中の一室では十名ほどのスーツ姿の男がいすに座っていて、一人の軍服を着た男がいた。
そのスーツ姿の男たち中でも特に地位の高そうな男が一言。
「……首尾はどうだ?」
「はい。しっかりと痕跡は残さずに事は進めています。今回の調査で新たな情報が入ったのでご報告しておきます。詳しくはお手元の資料で確認していただいたら分かるのですが、簡単に言いますと彼らに共通することが浮かんできました。」
「それはなんだ?」
「些細なことですが、彼らは全員第三次世界大戦で家族を失った所謂孤児です。」
「……分かった。退室していいぞ。」
「了解しました。失礼しました。」
そう言って、軍服姿の男は部屋から出ていった。後にはスーツ姿の男たちだけが残っている。
「……ジェームズを動かそう。」
一番奥に座る男が呟いた。その様子からは少し戸惑いの様子が窺える。
「正気ですか、ボス!我らが彼によってどんだけ苦労したか忘れてしまったのですか!!」
一番奥に座るボスと慕われる男のそばから反対の声が挙がった。
「分かっている。彼もしっかりと報酬を払ったら命令通りに動くだろう。」
今もまだ少し弱気であるが、前よりはしっかりとした声で返答する。
「……ボスがそう仰るのならボスに従います。」
周りにいる他の男たちも頷く事で賛成の意を表して彼らの話し合いは幕を閉じた。
〜数日後 東京駅〜
「ここが日本デスか。思っていたよりもずっときれいな町デスね。」
どこからともなく少しおぼつかない日本語が聞こえてきたと思ったら、駅を出たところで一人の外国人が電話をしている。周りにも色々な国の人がいるけれど、その中でも彼からは他と異なった雰囲気が漂っている。
「そうだな。ただ、お前は目立ってはいけないのに目立ちすぎてしまうから、観光はなしだぞ。」
電話の向こうからは若い男の声が聞こえてくる。その声からは「ふざけるなよ。」といった様子が窺える。
「……分かってマスよ。」
「本当に分かってくれよ。」
「それに仕事の合間に色々見ることがデキますし。」
「そうか。なら、仕事の内容はまた後で指示する。」
「了解デス。」
電話を切ると男は急にその気配を消して、東京の街の中に溶け込んでいった。