file.5 情報整理
更新遅れてすみません。
〜工場跡での爆発事件についてのまとめ〜
日時:12月8日5時30分頃
場所:東京都○×区……
被害者:山村邦治
職業:東京大学教授
死因:焼死(死体はなく部屋の壁に付着した細胞の損傷具合から推定。)逃走車両:黒の外車のワゴン車(この車両は先週に盗難届が出されていたもの)
逃走ルート:別のファイルの地図を参照(逃走車両は中国に渡航したのち北京郊外の防犯カメラを最後に行方を眩ましている。)
人数:推定四人
…………
この資料に目を通し終えた鷹章は表情には出していないものの明らかに驚いていた。そして彼はすぐに室長権限を使って(室員はみんな同じ権限をもっているのだが)過去の事件について調べた。
尚現在の社会では、情報はなりよりも大切とされていて、情報流出の防止として、事件の関係者と部長クラス以上の人以外は過去の資料の閲覧に関して厳しい制限が設けられている。但しここにも対策室特権がはたらき、対策室の室員は通常必要とする複雑な手続きを必要としない。
話がそれてしまったが、彼が過去の事件について調べ始めたのは気まぐれではなく(もっとも彼は普段からその行動のほとんどを気まぐれと成り行きで行っているのだが…)過去の事件について疑問が浮かんだからだ。その事件のファイルはすぐに出てきた。何故なら彼がそのファイルに頻繁にアクセスしていたからだ。彼が出してきたファイルは、二ヶ月前に起こった某有名国立大学教授殺人事件の捜査資料である。それと並列して、過去十年間に起こった同じように事件のファイルを出してきた。今回の事件を入れて5件分の捜査資料が彼の端末の上に表示されている。
(これまた面倒な事になりそうだな…)
そう一言彼は心の中でつぶやき席をあとにした。