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【序章】騎士団編ー③

「此処が騎士達の訓練場です」


そうして連れてこられた場所は

騎士達が木刀と木刀を打ち合っていたり、

木の陰に座り込んで休んでいたり、

騎士同士が殴り合いをしていたり、

挙句の果てに談笑している騎士達がいる場所だった。


「此処が⋯⋯?」

「はい、そうなんですよ」

「えぇ⋯⋯」


これじゃあ訓練をする場所というよりも自身でしたいことを自由にできる遊び場といった感じではないか。


呆れた目をユークラシスに投げと、困ったように瞳を伏せた。


「すみません⋯⋯私じゃあ、ナヨナヨしてるからかいうこと聞いてくれなくて」

「別にユークラシスが監督する必要はないんじゃないか?」

「しかし他にできる人がいないんです。人手不足で私とナレアルと後は清掃員さんと寮母さんしかいません」

「まじで⋯⋯?」

「はい」

「だとしたら逆に凄いな。この数の騎士たちをたったの4人で管理していたってことだろ」


訓練場には10人の騎士がいる。それを役割が違う4人で回していたとなると一人一人の負担が半端ない。


「で、こいつらを俺が監督しないといけないわけか」

「こう見えても少数精鋭なので、実力はありますよ」

「少数精鋭、ねぇ」


こんなに怠けていて強いとなると素質が凄いんだろうな。勿体ない、磨けば光るだろうに。


「だけど、俺は騎士じゃない。剣術はよく分からんし、あんまり上手に教えられる自信はない」

「いや、できますよ」

「どっから来るんだよ、その自信は」


ため息をついた後、


「まあやってみるよ」


固まってない決意を述べた。


ーーーーー

訓練場にある号令台に登る。


ユークラシス、フォローしてくれよ。

そういう意図を込めて号令台の横で俺を見ている彼に目で合図を送るが、ウインクで返された。

駄目だこれ。絶対伝わってないやつだ。


胸に手を当て、深呼吸をして心を落ち着かせる。

よし!


ユークラシスに視線を送り合図をしてもらう。

彼が左手と右手を2回叩き、大きな音を立てる。

「皆さん、こちらに集まって来てください」


その声に反応して騎士達が集まってきた。

ありがとう、ユークラシス。

心のなかで感謝を伝える。


「えー、皆さん始めまして。俺⋯⋯私はシアン・ロゼと申します。この度は皆さんの監督・指導を一任されました。これから、よろしくお願い致します」


ぺこりと一礼する。

しかし、騎士達の反応は微妙だ。

まばらにパチ、パチ、パチ、と拍手が起きる。

その中には興味がなさそうにあくびをしている人や仲間と談笑している人がちらほら見られる。


話を聞いてくれていた人達の視線がシアンの顔に集まる。

これだから、嫌なんだ。注目を浴びるのは好きではない。


「何か、質問がある人はいますか?」


場が静まり返る。

そうですよね、質問のある人なんていないよね。

そう思っていると、黒髪青瞳の騎士が手を挙げた。


「はい、どうぞ」


右手を彼に向かって伸ばす。


「シアンさん⋯は、どんな剣の型を使うのですか?」

今回は、一話が短くなってしまいました。

すみません

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