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【序章】騎士団編ー①

いきなり物語が始まっていますが、一話目です。合っています。

「ここが、騎士団……でっかぁ」


目の前には白を基調とした家、と表現するには程遠いほど大きな建物があった。


階段を登り、扉の前までたどり着く。深呼吸を一回してから扉を引いた。


「こんにちは〜」


自信なさげな声がでてしまった。


「こんにちは」


答えてくれた女性に軽く会釈をする。

視線を彷徨わせて室内を見ると、大きなテーブルや多くの椅子などがあるにもかかわらず、人は先程返事をしてくれた受付と思える場所にいる女性しかいなかった。


すると、受付の女性はカウンターから出てきてこちらに向かってきた。女性の履いているヒールの音が歩くたびに部屋に鳴り響く。


コツコツコツコツコツコツコツコツ


コツ


「お待ちしていました。シアン・ロゼ様でお間違いないでしょうか」

「はい」


受付の女性はシアンの顔をじっと見つめてきた。視線が交差し、気まずい時間が流れるかと思いきや、3秒ほど凝視された後、女性は俺からあっさりと視線を外し、手元に持っている書類に目を移す。


「私はナレアルと申します。団長室までの案内させていただきます。」


シアンの目の前に前にいる、受付の女性は微笑を浮かべながらナレアルと名乗ってくれた。


「それでは、私の後をついてきてください」

「わかりました!」


シアンは推薦状を貰っているとはいえ、いきなり騎士団を尋ねて行ったのでもう本人かも疑われても可笑しくない考えていた。そのため、詳しい本人確認はされず、あっさり本人だと認められたことに拍子抜けした。


ナレアルさんの後ろをついて行きながら視線を彷徨わせる。分かったことは空間一つ一つが大きいということ。


大きな受付のある広間の横の方にある階段を登ると、長い廊下が現れたからだ。


長い廊下は勿論のこと、綺羅びやかな装飾が廊下中にあって驚く。見るからに高級なシャングラスや壺。額縁付きの絵。などなど高価のものが廊下に置かれていた。

そうこう考えているうちにナレアルさんの足が止まった。


「ここが、団長室です。どうぞお入りください」

「いきなり入って平気ですか?」

「はい、団長から許可は貰っています」


許可は降りているとはいえ、緊張する。

団長、どんな人なんだろう。


ノックを3回する。

「失礼します」



部屋に入ると、ナレアルさんは扉の横に姿勢よく佇んだ。

俺は部屋の中をキョロキョロと見回す。団長と思われる人がいないのと、扉の中の部屋は想像していたよりもずっと質素だったからだ。

部屋には机と椅子があり、後ろに大きな窓があるのか、黒いカーテンが着けられている。机の横にはガラス張りの棚があり、書類のようなものがびっしりと入っている。


ところで団長はどこにいるのだろうか。そう考えていると机と椅子が置いてあるあたりからパチンと指と指を合わせて鳴る音が部屋に響いた。その音と共に見目麗しい男性が突如として空間から現れた。


身長180センチはありそうな背丈にスラッとしている肉体。金髪にスカイブルーの瞳をしている彼は、「やぁ、久しぶり」と声をかけてきた。


空間から現れたことにも驚きだが、「久しぶり」という言葉にポカンとしていると、彼は「あぁ、これじゃわかんないか」といって、耳に触れた。


「幻術解除」


眩い光が発生して一瞬瞼を下ろす。一拍開けて目を開けるとそこにはエルフ特有の少し長い尖った耳が出現していた。



「エルフ族⋯⋯」

「そうだよ!エルフ族!」


ポツリと呟いた独り言を聞き取られ団長と思われるエルフ族の人に反応される。

エルフ族の友人なんていたっけ⋯⋯?

怪訝な顔を隠せずにいると


「もう、忘れちゃった?ユークラシスだよ」


名前まで名乗ってもらうがピンと来ず、記憶を遡る。数刻たった後、


「ユークラシス!」


唐突に思いだした。


「弱虫のユークラシスだ!」

「最悪の思い出し方だね」


すぐに突っ込まれる。ユークラシスは苦笑いを浮かべながら「思い出したなら良かったよ」といった。


後ろに立っているナレアルさんの


「団長のことを忘れるなんて凄いですね」


感嘆の声が聞こえた気がするが、聞こえなかったこととする。

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