【序章】騎士団編ー⑪
「それじゃあ、エリオット。始めよう」
「はい⋯⋯因みに監督は何を武器に使うんですか?」
「俺は、体術のみだ」
「え⋯⋯流石にそれは無茶ではありませんか?こちらは真剣ですよ」
「大丈夫だ。安心してかかってこい」
2人の視線が交差する。
次の時、エリオットがこちらに向かってきた。シアンは手から力を抜き脱力する。
エリオットがこちらに到達した時、斜め下から上に向かって剣を振る。
シアンはその剣の軌道を先に読み剣が振るわれる反対方向に体を動かし、シアンの腹に打撃を入れる。
「うっ」とうめき声を漏らし少し後退したが間を置かずエリオットは剣を横に振る。熱意のこもったいい剣筋だ。しかし、遅い。シアンに当てるには遅すぎる。そして躊躇している。真剣が当たった場合、俺の肉体が傷つく可能性が大きい。それをためらっているのだろう。
「大丈夫、躊躇せずに剣を振れ。ためらっては駄目だ」
「ぐっ」
唇を噛み締め、表情が少し歪んだ。だが、表情はすぐにもとに戻る。
上から。下から。横から。斜め下から。斜め上から。
様々な方向から勢いを込めて振ってくる。
だが、単調すぎる。そして、少し乱雑だ。
「エリオット、剣は相手を斬るためのものだけではない。よく考えろ、どう使うか。相手をどう扱うか。長剣の長所はなんだか、考えろ」
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Side エリオット
「エリオット、剣は相手を斬るためのものだけではない。よく考えろ、どう使うか。相手をどう扱うか」
その言葉を言われた時、慌てて後退した。
監督が何を言っているのか分からなかった。
剣は振るった相手を傷つけるためのものだ。それ以下でも以上でもない。
少なくともエリオットはそう習った。
だから、監督の言いたいことが分からなかった。
どう使うか。それは振るう以外の使い道があるということだろうか。
相手をどう扱うか。それは誘導するということだろうか。
長剣の長所は、長いと言うこと以外思いつかない。
長い剣を振るう以外に使う。誘導する。視線を。体勢を。誘導するには。
⋯⋯突けば良いのか
リーチが長いから軌道が読まれやすい。だけど突きの場合は少し変わる。速度が上がるため、読まれても避けるのは難しくなる。
少し視野を広げろ。視界にはいるものを全部使え。
視界には空。鳥。大地。人。監督。
駄目だ。使えない。何か、誘導できるものを。目線を地面に落とす。
「考えすぎて、動きが止まっているぞ」
その言葉に、はっとした。止まっているのに、監督は攻撃をしてこない。
つまりハンデを背負っていたのか。でも先ほどは動いていた。推測①監督はエリオットが攻撃するまで動かない。推測②監督は一定の距離しか動かない。
どちらにせよ、監督から攻撃してくることはない。
なら、
「おいおい、試合中だぞ」
呆れた声をかけてきた。
しゃがみ込み、急に砂を手に取ったことを不思議に思ったのだろう。
これを投げて視界を防ぐ。そして、その隙に剣を突きつける。
これで行く。
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エリオットがしゃがみ込み、砂を拾った。
「おいおい、試合中だぞ」
少し呆れた声をだす。だが内心は少し違う。
やっと理解したか。という気持ちだった。
声をかけてから少し静止していたエリオットを見て最初、かける言葉を間違えたと思って焦っていた。
だが、思考し、自分でどうすればいいかを考え、自分のなかでの正解を導き出せたのならそれは成長したと言える。
あぁ、俺は間違えなかったか。安堵が試合中だと言うのに心の中を埋め尽くした。
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エリオットは砂を握りしめたまま、シアンに向かって突撃してくる。
砂をシアンの目元に投げつけ、剣を真横に振るう。
だが、予想していたため、目を閉じてしゃがみ込み、攻撃を避ける。
目を空けすぐに元の体勢に戻ろうとした時、間髪入れず、剣を突き刺してきた。
咄嗟に体をねじりかわす。
「あっぶな」
そこを狙っていたのか目元に砂をかけてきた。
異物が目に入るとき特有の痛みを感じ、思わず目を瞑る。
まだ、残っていたのか。あの時半分だけしか砂をかけてこなかったのか。
考えたな。でも、甘い。
エリオットが砂を投げたほう、つまり左手をこちらに引き寄せ、弧を描きながら左方向に投げる。
「ぐっ」
エリオットは予想していなかったのか固まっている。
「勝負ありだな。時間をおいてまた、かかってこい」
戦闘シーンって、書くの難しい。
天使族
寿命 無限を生きるといわれている。
天使族は銀髪の髪を持って生まれる。
天使族は生を司ると言われている。
特別な魔力を操るためほかの種族には理解できないような魔法(それを魔法と言っていいかも定かではない)を使う。




