首無し死体と祠通り 5
あれから一日経過。
ベッドから起き上がり気怠い体でリビングに向かう。
いつものようにテレビをつけると昨日の事件のニュースが流れていた。
ただやっぱり首無しという情報は伏せられているようで祠の前で女の人が殺害されているという内容を女性のニュースキャスターが淡々と読み上げている。
目を閉じてあの時のことを思い出す。
あの凄惨な光景を。
首だけがなく虚な目をしてい名も知らない女の人。
そして、出会ったよくわからない化け物……。
はっと目をあけるそこは紛れもない自分の家で、だけど心臓の嫌な高鳴りだけはその出来事が本物だったって示している。
あの後、なんとか電話をした後に警察が到着。事情聴取をされた。
怪しい人物を見ましたか??という質問に対して、「怪しい人物じゃなくて、化け物がいました!!!」なんて言えるわけもなく結局化け物のことは話せないままだった。
俺自身だって未だにあれは幻じゃないかって少なからず疑っているに、絶対言ったら頭がおかしいと思われるもんな……信じてくれるとも思えないし……
「おはようございます」という声がリビングのドアが開く音と同時に聞こえる。
振り向くと眠そうにあくびをしながらひとりの叔父である七瀬泰輝が立っていた。
「泰輝にぃ??なんでここに??」
「なんでてって。そりゃあ、君のお父さんに頼まれたからですよ。警察から連絡があったそうですがすぐに帰れそうもないので代わりにと頼まれたんです」
「……警察から連絡………」
「例の連続殺人に巻き込まれたとのことであなたのお父さんに連絡がありまして。
あんなことがあった後こども一人で家に置いて置けるわけないでしょう。
なので、あなたの父親に変わって私が来たんですよ。
着拒否して気づかず、会社づての連絡だったので着くのが遅くなってしまいましたが……お久しぶりですね」
と眠気が抜けない様子で言う。
着拒否って……相変わらず、親父のこと嫌いなんだな……
久しぶりに会った叔父は相変わらず猫背が治らないのか気怠げな雰囲気を纏い眠たそうにしている。
父ともあまり仲が良くないようで何か会った時のために合鍵は持っているがこの家に近寄ることは殆どないのだが、まぁ、昨日のことがあったので泰輝にぃがいる理由に納得だった。
「とりあえず、顔でも洗ってスッキリしてきたらどうです。私はその間にでも朝食を作ってるんで」
「うん。そうする」
泰輝にぃの言うことは最もだ。あのままニュース見ていても陰鬱とした気分にさせられるだけだろうし……
洗面所に向かい、いつものように顔を洗う。
水の冷たさで一気に目が覚める。
タオルで顔をふき、鏡の正面を向くと見慣れた顔と対面する。
「ーーーーっなんだこりゃぁぁぁあ!!!!」
泰輝にいがいるもの忘れて大声を出す。
昨日なかなか寝付けなかったのか目の下に薄ら隈があるのはまだいい。
問題は頭だ。普通じゃない。
頭が悪いとかおかしいとかそういう内面的に目に見えないものではなく外見的にやばい。
何がやばいか。
頭に芽が生えている。
生き生きとみずみずしい植物。
いつも通りの髪に緑のアクセント。
インパクトと抜群。
俺の精神にはクリティカルヒット。
見間違いかと思って首を振るとそれと同時に頭の上に鎮座している芽もそよ風に吹かれたように可愛らしく揺れる。
「いや……いやいやいやいやいや。待て待て待て待て」
本当ちょっと待ってほしい。
これはきっと夢だ。そう悪夢だ。一回顔を洗おう。きっと疲れすぎて目がおかしくなってるんだ!!
芽だけに!!とパニック一人ツッコミを果たしたところで蛇口を捻り顔を洗う。
そして勢い良く顔を上げて鏡を見る。
「うん!!夢じゃない!!」
目の前にはさも当たり前のように頭に鎮座している緑色の芽。
双葉とかそう言うのではなくどちらかと言うと球根から生えた芽のようなもの。
何をどうしろというのか。
そうだ!!困った時の我らの味方ネット検索。
急いでベッドを出ると同時に持ってきたスマホで現代人の知恵の結晶に「頭 芽 生えた 病気」と打ち込む。
【検索結果 脳内お花畑】(意味 能天気な思考回路を持つ人物) がヒットしました。
「うるせぇよ!!追い討ちかけてくんな!!!」
ふざけんな!!
なんで検索してダメージ受けなきゃいけないんだよ!!
能天気ならこんなこと気にせず世界初芽が生えた人類でーす!イェーイって元気にトゥイーターに発信しとるわ!!
「……検索して出てこないってことは病気の可能性はないってことだよな」
わかっていたことだけど。
流石にここで15年生きてて頭に芽が出る病気が存在してたらニュースやその手のバラエティ番組で取り扱っているだろうし……となると考えられるのは昨日の化け物関連だと思う……。
だけど、原因に思いあたる節があるからと言って解決作がわかるわけでもない。
なら、やることは一つ。
この芽を引っこ抜くしかないのだが……
「これ引っこ抜いても大丈夫なやつなのか??」と恐る恐る芽に触れる。
「……感覚はない」
ならばっ!いざっ!!引っこ抜かん!!
「痛てええけえええぇ!!!!!!」本日二度目の絶叫。
芽をしっかり握り思いっきり引っ張ると同時に石で殴られたような激痛が頭に走る。
思わず頭を抱え込んでしゃがみこむと洗面台の縁に額をぶつける。
ダブルで痛みが襲ってくる。もはや瀕死状態。
未だ起きてから10分程度。
初っ端から躓きまくりである。
って言うがちょっと待って。あの人この状態の俺を見てもなんで何にも言わなかったんだ??
明らかにおかしいだろう。
人間の頭に植物の芽が生えてるんだぞ。
「泰輝にいぃぃ!!!」と急いでリンビングに向かい、コンロの前に立ち目玉焼きを焼いている叔父に勢いよく話しかける。
「なんですか。朝から騒がしいですよ」と一瞬俺の方に目を向けたがそのまま視線はフライパンに戻り、流すように答える。
「そりゃ騒がしくもなるよ!!芽が!!生えてるんだよ!!」
「目が冴えてる??顔洗ってスッキリできてよかったじゃないですか」
「違う!!そうじゃなくて!!嫌、たしかにびっくり現象を目の当たりにして目は覚めたけれども!!目じゃなくて芽だよ!!芽生えてるの!!」
「芽生えた??恋心ですか??すいません。甥っ子と恋するのはちょっときついです」
「俺だって泰輝にいとは嫌だよ!!だぁーーもう!!恋じゃなくて頭だよ!!なんで朝起きた時に頭がおかしいって言ってくれなかったのっ」
「頭がおかしいなんていつものことじゃないですか」
「流れるような言葉の暴力!!言いたいことはいっぱいあるけれども中身じゃなくて外見のことだよ!!」
「外見……?」と泰輝にぃはやっとフライパンからこちらに目線を写した。
「別に変わったことないですよ。前衛的な寝癖をしているわけでもないし」
「寝癖より気になるもんがついてるでしょ!!頭から植物の芽みたいなやつが生えてるんだよ!!」
「そんなもの人間から生えるわけないでしょ。何言ってるんですか」と意味不明と怪訝そうな顔をして言い放つ。
「それよりご飯よそって下さい。目玉焼きができましたよ」と俺の髪をくしゃくしゃに撫でながら促す。
本当にそこに何もないように触れてるのだ。
拙い文ですが、最後までお付き合いいただきありがとうございます!!
もし「続きが気になる」「面白い!!」と少しでも思われた方は、ページ下部よりブックマークと評価をお願いします。
↓やる気に直結しますので応援よろしくお願いします!




