首無し死体と祠通り 3
初めていった時から変わらず、そこは時間が止まったように佇んでいた。
光を遮断するような道の作りも相変わらずだったが、この時ばかりはこれで人混みを通らなくて済むと喜ばしいくらいの気持ちだ。
影に入り、その通りを進んでいく。
どこか故障しているであろう古い室外機は、水溜りつくり道を塞いでいる。
それを踏み歩いていくとひっそりだがここにあるのが当たり前と言わんばかりの広場が見えてくる。
ただ、違うのはあの時みた暗がりの中にあるのではなく、その場所から光が漏れ出ているということだ。
通路の途中で立ち止まり空を見る。
眩しさに目を細め手をかざしながら見上げると、雲から太陽が顔を出しちょうど真上に来ていたのだった。
光が目に入り、いくらか瞬きをする。
考えてみれば簡単なことだった。
四方から囲まれた祠は普段あまり光の届かない場所ではあるが、夏という時期に太陽が真上にくるタイミングで天気が良く光が強ければ、祠に光が降り注ぐというわけだ。
あの時は、薄気味悪い場所でしかなかったが、今ならあの子が言った「きらきらして綺麗な祠」が見れるかもしれないと足取りが軽くなった矢先のことだった。
広場に着くと、祠と鳥居の真ん中に先客がいたのだ。いたと言うかあったと言う表現の方が正しい気がする。
足があらぬ方向に折れ曲がり、体は三段ほどの低い石階段に寝そべるようにうつ伏せになっていた。
手は祠に助けを求めるように伸ばされている。
そして、目に引くのはそれは【首無し死体】であること。
光静が話してくれた内容と全く同じ文字通りの首無し。
首だけが存在せず、抉られたように、噛み切られたように、押し潰されたように、切り取られている。
頭部が側で転がっており、虚な目で地面を見つめている。
体近くでは血が水溜りを作っており、上から照らされている光が反射していた。
僕はその異常な光景を日陰になっている通り道になっているところから見ていた。
祠がある広場には光が、僕がいる通りには影が見事にコントラストとして出来上がっている。
鳥居は彼岸と此岸を分担する結界のように、ひとりの男の死を飾る額縁のようにも見えた。
蝉の声と風鈴の音が鳴り響く。
鼻につく血の匂いと壊れたプラモデルのような首無し死体が普遍だと思っていた日常の終わりを知らせていた。
拙い文ですが、最後までお付き合いいただきありがとうございます!!
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