表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/102

塔の門番が“エマにだけ優しい”理由

ある日の朝。

塔の玄関に立っていた石像のゴーレムが、エマに向かってぺこりと頭を下げた。


「えっ……動いた!?」


「エマ様。おはようございます」


「しゃべった!?」


リュカが後ろから歩いてくる。


「おまえ専用に調整した」


「専用!?」


「俺以外で、おまえに触れようとした者は排除するようにした」


「排除って言葉怖いよ!?」


ゴーレムはエマに対してだけ柔らかい声で応対するが、

さきほど通りがかった旅商人には――

目を光らせ、低く唸っていた。


「なんで私には優しいの?」


「エマを識別しているからだ。

 おまえは“保護対象”だ」


「保護対象……」


心が少しだけ、熱くなる。


リュカは何気なく言う。


「安心しろ。おまえを傷つけるものは、すべて消す」

「消すって言葉の選び方が重いの!」

「安全のためだ」


(安全のために世界が振り回されてる気がするんだけど……)


でも、“守りたい”という気持ちは確かに伝わった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ