表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/102

魔術師の国で目を覚ます

まぶたを開けると、石造りの天井が見えた。

カーテン代わりの厚い布から漏れる光は、ほんのり紫がかっている。

外の空がそういう色なのだと、なぜか直感でわかった。

「ここ……どこ?」

体を起こすと、手が小さい。

いや、全体的に小さい。

鏡代わりの金属板に映ったのは、淡い栗色の髪を二つに結んだ少女だった。

「若返ってる!? ……え、かわいい、私?」

素直に驚いた自分に、ちょっと笑ってしまう。

頬をつねると、ちゃんと痛い。


部屋の扉がこんこんと叩かれた。

「エマ様、起きておいでですか?」

「エマ?」

自分の名前が、少し柔らかくなって呼ばれた。

「あ、はい! 起きてます!」

扉の向こうから、落ち着いた女性の声が答える。

「本日、塔の主様がお戻りです。お支度を」


塔の主。魔術師。

恵麻――

いや、エマの胸が、どくんと高鳴った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ