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塔の主、嫉妬を隠せない

夕方。

塔に招かれていた客人の魔術師が、エマに笑顔を向けた。


「リュカ殿の弟子は可愛いね。名前は?」

「え、あ、その……」


軽い挨拶のつもりだった。

しかし。


「……エマ」


リュカの声が背後から落ちた。


空気が、一瞬で冷たくなる。


「呼ぶな」

「え?」


「おまえの名を、他の男が口にする必要はない」

「え、いや、ただ挨拶――」


「必要ない」


客人は凍りつき、早口で帰っていった。

エマは頭を抱える。


「……もうちょっと大人な対応しようよ!」

「大人だ」


「どこが!?」

「嫉妬している」


堂々と言われ、エマは声を失った。


「……ひどい顔してたよ」

「隠す理由がない」


「普通は隠すの!」

「おまえに他の男の影が差すと腹が立つ」


こんなに真顔で言われたら、

怒るより先に――頬が熱くなる。


「……嬉しいって思ってる自分、ちょっと悔しい……」

「嬉しいなら、それでいい」


「なんか負けた気分……!」



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