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塔の結界に“追加機能”がつきました

朝。

塔の廊下を歩いていると、床一面に見覚えのない魔法陣が広がっていた。


「これ……また増えてる……」


リュカが淡々と言う。


「防御力を上げた」

「うん、そういうのはわかる。でも、この“侵入者に対する自動追放機能”は……?」


「必要だ」

「なんで即答なの!?」


リュカはエマの手首の腕輪に軽く触れながら続ける。


「おまえを探ろうとした賢者がいた。次からは結界が排除する」

「あの人のこと、まだ怒ってるの……?」

「当然だ。あれは不愉快だった」


紫の瞳がわずかに揺れる。

怒っているというより――心底、怖がっているようにも見えた。


「……エマが消える可能性を匂わせた」


小さな声で言う。


「二度と、あんな気配を感じたくない」


胸がきゅっと締めつけられ、エマはそっとリュカの袖をつまんだ。


「……大丈夫。私はここにいるよ」


「……なら、もっと強く縛らないと」


「発想がすぐ束縛に行くのやめよう!?」


だけど。

その“縛りたい”気持ちの奥にある不安を感じてしまったら、強く怒る気にはなれなかった。



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