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元おひとり様、過保護の嵐に慣れていく
ここ最近のことを考える。
腕輪、外出許可、塔の鍵。
一歩間違えば、完全監禁だ。
なのに――エマの胸は不思議と軽かった。
(慣れてきてる……?)
朝、眠そうに髪を整えてくれるリュカの手。
研究中、さりげなく体温を気にしてくれる視線。
書類をまとめていたら、いつの間にかお茶が置かれている気遣い。
全部、普通の恋愛とはズレているのに。
「ねえ、リュカ」
「なんだ」
「私……重いの、嫌じゃないかも」
言ってから、自分で真っ赤になる。
リュカは一瞬、固まった。
そして――
「……そうか」
吐息のような低い声。
次の瞬間、エマは抱き寄せられ、強く胸に押しつけられた。
「じゃあ、もっと……重くする」
「やっぱり方向性が危ない!!」




