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神様二柱、ノリが軽い
『おー、起きた起きた』
『あ、ほんとだ。おはよー』
眩しい光の柱が二本、並んでしゃべっていた。
神々しい、というより眩しすぎて目が痛い。
「え、ここどこ? 私、死んだ?」
『はい、トラックに盛大に轢かれましたー。労災も慰謝料も関係ない世界でーす』
「言い方!」
もう一柱が、少し申し訳なさそうに声を落とす。
『まあまあ。その代わり、あなた、転生特典に当たってるから』
「……とくてん?」
『そう!ブラック勤務・四十歳・おひとり様・趣味ネット小説、という貴重なデータを対象に』
『ガラガラガラガラ~!ガチャ大当たり!
希望の世界+希望の待遇を一個だけ叶えまーす』
なんだこの神々。
妙に現代的で腹が立つ。
けれど、胸の奥がふっと軽くなったのも事実だった。
「……希望、言っていいんですか?」
『もちろん。倫理アウトは却下だけどね』
「じゃあ……」




