第二話 避難
その後、テレビではずっとその放送を繰り返していた。再びスマホに目を戻しsnsアプリを開く。案の定トレンドは感染症関連で埋まっていて流れてくる呟きも同様のものばかりだった。ただ、感染したとかの話題はないから日本にはまだ広がっていないのか。そう考えているとふと外の方で放送が流れているのに気づく。
「政府からの要請により未確認の感染症の流行を防ぐため、避難所が開設されることとなりました。市民の皆さんは速やかに指定の避難所に避難してください。繰り返します、、、」
窓の外を見ると人々が忙しなく動いていた。放送を聞いて避難所に向かうつもりなのだろう。その肩には防災バックが背負われていたり、日用品を入れているのだろうか、ボストンバックを持ち出している者もいた。
良いのか悪いのか今家にいるのは自分1人だ。両親は北海道へと旅行に行っていたので、現地で避難することになるのだろう。
「とりあえず行ってみるか」
早速家にあったデカ目のリュックを引っ張り出し、中身を詰めていく。普段から防災用に非常食や携帯トイレなどをストックしていたので手早くしまっていく。普通に避難所で暮らすぐらいなら必要ないかもしれないが、一応多機能ナイフも入れる。なんとなく。
放送で流れていた避難所は街の北の方にある高校だった。自分は市外にある、電車で30分の高校に通っているため高校での友達はいないかもしれないが、いかんせん地元であるため小学や中学時代の知り合いならいるだろう。
準備を終えて家を出ようとした時、スマホに母親からの通知が来た。どうやらあちらでも避難所が開設されたのでそこにいるのことだった。こちらも避難所に向かう旨を告げてスマホを閉じる。
避難所に向かうためにドアを開けて外に出る。今はもう10月なので冷たい風が頬を撫でる。鍵を閉めたことを確認して俺は避難所へと向かった。




