第一話 始まり
初投稿です
「南米での未確認の感染症の大流行」
スマホを見ながら食パンを齧っていた三ツ谷はその見出しに目を引かれた。未確認の感染症が途上国で発生するのはそこそこあることだが、コロナウイルスで散々な目に遭ったからか自然とその記事をタップしていた。
「未確認の感染症は致死性が高く、感染力が強い。WHOは不要な外出を控えるよう呼びかけている。また近隣の国には空港を閉鎖し交通を規制する動きも見られる。それに伴って暴動も発生している。」
ついため息を漏れる。この感染症がまた日本でも流行したら面倒なことになる。中学校の修学旅行だってそのせいで中止になったのだ。ただその時の経験をもとに政府が良い対応をするしかない。
今日は日曜日だ。部活には入っているが昨今の改革によって部活は週6までと限定された。やりたい人は勝手にやるのだからわざわざ限定する必要はないと顧問に言ったが、監督者のいないところで怪我したら困るとのことだ。本当は練習したかったが仕方ない。今日は家で映画でも見よう。
そう思ってテレビをつけると、総理大臣の会見がリアルタイムで行われていた。字幕によると未確認の感染症に対処するため今すぐに空港を閉鎖、検疫の体制を整えるということ。それに伴い避難所を開設するので積極的に避難をしろとのことだ。
「おかしい」
感染症なのに避難所を開設?まるで災害じゃないか。それに加えていくらなんでもなんでも対応が早すぎないか?最近の内閣は仕事が遅いと言う印象があっただけによりおかしく感じる。
この時だった、日常が日常でなくなってしまったのは。