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ひとまずの結論

「痣自体は大けがと言うようなものではありません。市販の薬でも処置はできます。実は初診の時にも別の痣がありまして。

それも大きなものではなく、腕白な子どもなら日常的にこさえていてもおかしくない程度のものでしたから、その時はテンカでできたものだろうかと考えていました。ただ、痣の位置がテンカではつきにくかったことと、突き指治療期間中はテンカを含めて手や指を使う球技は控えていたことを考えると、他に原因があると……」


 ふと目の端でロビー側を見ると、維蕗が向かってきているのが見えた。


「原因はわからないのですが、維蕗に訊いても答えてくれませんで。

お母様もご存じないとなると、本人としては隠したい気持ちがあるのかもしれません。この件で彼を追求するのは避けた方が良いでしょうね。今の痣は大げさな怪我ではありませんが、引き続きうちで診させていただいても? 探れるようなら原因も探ってみます」


 早口で言い終えたタイミングで維蕗は戻ってきた。

 嬉しそうにピーチとラズベリーのアイスを見せている。「良かったね」と維蕗に向けて笑顔を作りながら、こちらに向き直ったときにはやや深刻な表情に戻り、「お願いします」と伝えてきた。

 治療継続を認めた母親も、息子の完治は勿論、原因の究明を望んでいるものと理解した。

 真犯人が己の疑いを逸らすための演技である可能性などを考えていては、こちらの性根も悪くなっていく気がした。


 杞憂に杞憂を重ねてもあまり建設的ではない。現時点の情報で結論を出すならば、判断は保留とせざるを得ないが、所感としては母親の関りは薄い可能性の方が高い。

 母親の虐待の可能性がかなり低いと思えたのは喜ばしい。父親や他の家族についてまでは探れなかったが、家庭で行われる虐待は近しい家族も認識しているケースが多い。母親がクリアなら他の家族も問題ないだろう。


 一方、家庭内の虐待でないのなら、原因は不明のまま残るため、やはり注視は必要だ。

 幸い次の機会が得られた。そこで何かがわかれば良いのだが。

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