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グランドデジネスのメンバーたち

 メンバーたちの報告が始まった。


 インカレ起業サークルで知り合った二歳年下の日下(くさか)は創業時からのメンバーだ。

 学生当時はアメフト部を兼部していた文武両道の彼は、ランニングバックで身に付けたタフさと先陣を切り拓く力を営業に転嫁した営業力が頼もしい一方、組み込み系のエンジニアとしても機能する。

 体育会系らしい爽やかさで、客先常駐の案件では特にベンチャー企業で評価が高く、先方の社員に混ざって家族のように溶け込んでいる。


 もうひとりの創立時のメンバー火山(ひやま)は大学の後輩で、日下と同年齢だ。

 趣味が筋トレなので、アメフト経験者の日下以上に逞しく引き締まった身体をしている。

 肉体を維持するためのトレーニングと食生活のストイックさは仕事にも表れていて、業務系アプリ開発エンジニアとして優秀であり、要件提議のできるプロジェクトリーダーとしても重宝されている。


 詩丘(しおか)さんはWeb系のエンジニアで、社内SEも兼ねている。

 一見おとなしく黙々と作業をしているが、それは脅威の集中力の賜物で、速度と正確さは群を抜いている。元々派遣のエンジニアとしていくつもの案件を渡り歩いて来た猛者でもある。


 丁嵐(あたらし)さんはコンサルティング営業だ。

 案件の受注だけでなく、社内だけではカバーできない人員が必要な際の、協力関係にあるシステム会社やシステム系人材に特化した人材派遣会社との窓口を兼ね、必要に応じ面接官にもなる。

 社内と他社の人材の混成チームを取りまとめ、クライアントへの提案や紹介なども行うため、彼女自身はエンジニアではないが業界には明るい。

 コンサルティング業界の営業出身だが、ITコンサルティングの業界ではなかったので、その知識はこの仕事についてから身につけたものだ。地頭の良さもあるのだろうが、努力家であることも窺わせる。

 うちの外交官にふさわしく、華やかで人当たりが良い。外面が良いとも言える。

 営業らしい気性の持ち主でもあるが、その様子は社内でしか見られずなかなかレアだ。


 書上(しょがみ)さんは老齢の域だが紳士然とした見た目で姿勢も良く、物語の執事がそのまま現実になったような人だ。

 見た目通りの物腰で、紅茶を淹れるのが得意だと言うのだから、少し出来過ぎな気がする。

 業界歴は長く豊富な経験には頼らせてもらうことも多い。未だ現役の業務系アプリ開発エンジニアで、最新の言語も意欲的に学んで身につけているが、行政や大企業でも、古いシステムを替えるタイミングで受けた案件では、COBOLなどが使われていることも多く、そんな時はかつて主流だった言語に精通している書上さんの出番だ。

 取引のあったシステム系の会社でエンジニアをしていた彼が、定年にはまだ早い年齢で退職をしたと聞いて、乞うてうちに来てもらった人材だ。

 同世代のみでうまく回っていたものだから、彼の入社には実は社内では反対の声があった。それでも、いつか絶対業界の経験則が必要になる時が来ると思っていた俺は、仕事を通して人柄を知っていた彼の知見と経験が欲しいと社内を説得して来てもらった。

 直近で進めていた郊外のベットタウンの行政の案件を受けるにあたって、書上さんのスキルには大いに助けられ、予想は的中した。


 会計の勉強をしていた野地(のじ)は、インターンからそのまま入社してくれたうちの最年少で、経理の他事務方の仕事のほとんどを受け持ってくれている。

 少し太めだが意外と機敏で、パワハラになるからと断っても自ら率先して買い出しや場所取りなどの雑務を精力的にこなす。

 愛嬌もあり社内ではマスコット的な扱いを受けているが本人はまんざらでもないようだ。



 我ながら、素晴らしい陣容だと思っている。一騎当千の彼らが獅子奮迅の活躍をしてくれるおかげで、業績は順調に伸びていた。


 俺はコンサルティング営業特化で、基本は朝のミーティング後は出っ放しだから、朝のこの時間は貴重だし大事にしたいと思っていた。直行や客先常駐などでメンバーが揃わないこともあるが。

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