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マランドロたれ
マランドロはジェントルマンである。
白いスーツと革靴、シルクのマフラーを身につけ、パナマ帽を粋に被り、時には西洋カミソリとカポエラを武器に悪漢と戦うこともある。
マランドロは1800年頃、ブラジルの文芸家マシャード・デ・アシスが黒人にとっての正義の擁護者として名付けたのが起源だ。
女たらしの酔っぱらい、ギャンブルや麻薬に溺れたダラシないマランドロ像は大いなる誤解なのである。
もう一度言おう。
マランドロは生きるための知恵と強さを兼ね備えた紳士なのである!
マランドロはブラジルで貧者の守り神とされるゼ・ピリントラがルーツだと言われている。
ペルナンブク州出身の彼は子どもの頃、父が家から出て行き非常に貧しい暮らしを強いられた。
路地で育てられる苦しい暮らしの中で、生きる知恵、マランドラージェンを身につけた。
貧しい暮らしは、彼を貧しき者の味方へと成長させた。
マランドラージェンを駆使し、ギャンブルでは無敗。
ギャンブルで得たお金は貧しい者たちへ分配するのだ。