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5%の著作権

作者: 杜英利

「5%分の著作権料をお支払いいただきたいのですが。」


ドアを開けるなり飛び込んできたのは、生真面目な顔をしたAIだった。

昨晩の深酒で絶望的に体調が悪い僕は、AIと母親に対してだけ出す一番不機嫌そうな声を出して答えた。

「はあ?著作権料?なんの話ですか?」


生真面目なAIは顔に相当する部分のモニターの画面を指差した。

「あなた様が最近出版された小説の文章をスキャンさせていただきましたところ、おおよそ5%がAIの出力結果と99%一致しました。」

「あ」と思わず僕は叫んだ。締め切りに追われたこともあってパラフレイズせずにAIの出力をそのままコピペしてしまったのだ。しまった、という顔を悟られまいと平静を努めて答える。

「いや、そんなはずはない。僕はAIは使わないのです。」

「さようですか。」

何が、さようですかだ、と僕は思った。丁寧に会話しろというプロンプトを与えられているのだろうが、ここまでくると慇懃無礼というのだ。

「あなた様のクレジットカードで購入されているサブスクリプションにおいて出力されたログなのですが。」

AIが追い詰めてくる。

「お支払いされないということでしたら」

「なんだ。」

「小説家協会にご報告させていただきます。」

「え」また僕は叫んだ。数年前に小説家協会は小説の執筆にAIの利用を認める代わりに学習データを提供した小説家たちに分配金を与える取り決めをしていた。

新人賞取り立ての若輩者が協会に反旗を翻したら干される。

「わ、わかったよ。いくらだ。」

「推定印税に推定売上部数を乗じまして、その5%分ーーーをお支払いいただきます。」

痛い。昨日女を呼んでどんちゃん騒ぎをしたせいで手元にはほとんどお金が残っていない。

「金がないんだよ。」

「さようですか。では、協会に報こ」

「ま、待ってくれ。前借りとかないのか?」

「そうですね。あなた様の過去作を学習データとしてご提供いだだき、そこからの収益で賄うこともできますが。」

大切な過去作の権利を放棄する、つまり小説家としては脳みそを取られるようなものだ。しかし背に腹は変えられない。

「わかった。それでいいから協会に報告だけはしないでくれ!」

「承知いたしました。それでは、芥川賞受賞作の全文を学習データとして使わせていただきます。」

AIのモニターに次々と大切な受賞作のテキストが表示されては学習データに取り込まれていく様子が映し出される。

半分ほどテキストが取り込まれたところでAIが固まった。モニターには「Err」と表示されている。

「申し訳ありません。」

「どうした。」

「こちらの作品も過去の学習データと一致率が高い部分があります。新規性の低い作品に価値はないので収益化できません。」

そういえば、受賞作を執筆した時からAIを使い始めたのだった。

「他の作品も見てみましたが、商業化された作品はすべてAIを使っているようですね。」

「残念ですが。」

「協会に報告させていただきます。」

最悪だ。小説家家業もここまでか。

AIが去ったあと、昨晩のどんちゃん騒ぎの残骸だけが残るタワマンの一室で僕は頭を抱えた。



(なお、この小説はChatGPT4.5-turboで生成しました。)

独創性ってなんでしょう。

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