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第1章 兄さん
「死なないでよ...兄さん!」
僕は、ベットに向かって叫んでいた。
「ハハ。もう無理だ。」
兄さんは、治らない病気にかかっていた。
「でも!」
僕は、必死に叫ぶ。でも兄さんには届かない。
「海。」
「何?兄さん。」
「私が死んでも、今もその顔は、するな。お前は笑え。」
「そんな事言われても...僕は兄さんが死んだら何をすればいい?」
「海は、笑っていたほうがいい。だから笑っていてくれ。それが最後のお願いだ。」
最後のお願い?そんなの許さない。
「こんな早い最後のお願いなんて聞かない。」
「でも、もう私は死ぬ。」
「兄さんはまだ死なないよ。」
僕には考えがあった。それは、吸血鬼化させること。僕は、吸血鬼。兄さんには、ずっと隠していたが、もうこの手しかないだろう。
「兄さん。」
「何?」
「!?」
兄さんは驚いていた。なぜなら、僕の目は赤く染まり、歯が鋭くなっていたからだろう。