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ドクペ愛飲家の戯れ言

作者: リポヒロ

数学というのは良い。

数学は嘘をつかないし、えもいわれぬ美しさがある。その中でも幾何学は特に美しい。

少しずつ補助線を引いていくと、徐々にその素顔を見せてくれる。



8月某日、明らかに殺意を感じる気温の中、私は机に向かってペンを走らせていた。そう、図形の一つを紐解いているのである。

やはり、図形は美しい。

こうしていると、段々と意識が遠のいていくような感覚にとらわれる。



ふと、脳裏に熱中症という単語が横切る。

私は本能的に机の上のドクペに手を伸ばしていた。



ドクペとは何者かと疑問に思っているだろう読者諸君のため説明すると、ドクペとは異常に甘ったるい炭酸飲料である。しかし非常に人気のある飲み物であって、ある科学者はドクペを選ばれし者の知的炭酸飲料と言い、また、ある探偵はドクペを主な栄養源としていた。



そんなドクペを一気に流し込むと、身体が炭酸の刺激と久しぶりの水分に驚いてむせてしまう。


ゴホンゴホン


甘ったるい刺激が身体中を蝕んでいく。

明らかに不健康だと分かっていても、ついつい手に取ってしまう。

ドクペには、名状しがたい魅力があるのかもしれない。



気が付くとペットボトルは空になっていた。

私はそれを机の脇に置く。

まだ昼前だというのに、そこには既に二本の空のペットボトルがあった。

流石に飲み過ぎだと自嘲するが、ドクペの魅力の前ではしょうがないと諦めている自分もいる事に気付く。


私はドクペ中毒になってしまったのかも知れない。

そんな戯れ言を考えながら、私はまた幾何学の旅に出るのであった。



-fin-


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