その①
※※※
Bクラス戦では、ユイが敗北するというハプニングが―――いや、ハプニングというと語弊がある。ユイは魔法を使えるようになったばかりなのだから、勝てなく手当たり前だ。
とにかく、俺と神奈崎が勝利してAクラス戦へ進めるようになった。
までは、良かったんだけど。
「補習ですか?」
「ああ、補習だ」
数人が入るのでやっとな狭い相談室。
目の前には斬沢先生と、俺の成績表。
「えーと、たしか中間テストはもう少し先だったはずですけど」
「いや、このままだと出席点が足りない」
「足りないとどうなるんですか?」
「普通なら、下のクラスに降級ってことになるな」
「でも俺たちはEクラスですよね? 下のクラスって言うと……」
「まあ、そうだな。Eクラスより下のクラスは存在しない。つまり――退学ってことになる」
え。
嘘。
何その話。
「ちょ、ちょっと待ってください。不平等じゃないですか。俺は序列闘争にだって出てるし……」
俺の言葉を遮るように斬沢先生が咳ばらいをする。
「勘違いしてるようだが、序列闘争の結果と学業成績は別物なんだよ」
「……と言いますと?」
「序列闘争をいくら頑張っても、授業に出なきゃ退学ってことだ」
「滅茶苦茶じゃないですか!」
「だから補習なんだよ。いいか真白、本来なら出席点が足りなくなった時点で即退学なんだ。だけどそれじゃあんまりだから、俺が掛け合ってやったんだよ」
「き、斬沢先生……!」
さすが!
頼りになる!
「じゃ、そういうことだから。放課後お前は居残り補習。良いな?」
「はい……。そうすれば退学は免れるんですよね?」
「そういう約束だ。ま、頑張れよ」
そう言って斬沢先生は相談室を出て行った。
……おばさんの仇を討つために入った学校を、成績不振で退学になっちゃ笑えないよな……。
Aクラス戦前にもう一度鍛えなおしたかったけど仕方ない。ここはおとなしく補習を受けておくか。
※※※




