表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/78

その⑱


「……あーあ、怒らせちゃった」

「な、なんでウチをそんな目で見るんすか!? その場のノリじゃないっすか! ねえ!?」

「どうでもいいけど、フォーク刺さったままだよ」

「えっ!? う、うわ、結構深いとこまで刺さってる! 傷が残ったらどうしてくれるっすか!?」


 恐る恐る額のフォークを引き抜くセカイ。

 跡になったらお嫁にいけないって呟いた気がしたけど、気のせいだろう。


「それにしても、謎だよな」

「何がっすか?」

「ドゥーエちゃんのことだよ。どうやって俺たちの部屋に来たのかもわからないし、お兄様っていうのが誰なのかも分からない」

「あんまり気にしなくてもいいと思うっすけどねえ……」


 再びセカイの方を見ると、フォークの突き刺さった跡から血が噴き出していた。


 もしかすると結構重傷なのかも。

 神奈崎も容赦ない。


 出血に気付いたのか、セカイも慌てだす。


「わ、わ、ヤバいっすヤバいっす、ウチ死んじゃうっす!」

「大丈夫だよ、そのくらいならまだ死なない。俺が言うんだから間違いない」

「そりゃあ、アニキはなんかウチらより丈夫そうですから! ウチはか弱いから死んじゃうっす!」


 だらだらと流れる血で顔中を血だらけにしながらセカイが訴えて来る。


「わ、分かったよ。あんまりはしゃぐと余計血が出るから大人しくしろよ。ほら、ちょっと見せて」


 セカイが俺に額を寄せた。

 額にはフォークの突き刺さった跡と思しき傷跡があった。


 俺は傷口が塞がっていくのをイメージした。

 ……植物を育てる魔法の応用だ。木々を成長させるように、セカイの傷口を埋める。


「ほら、止まっただろ」

「え?」


 自分の額を触って、血が出ていないのを確かめるセカイ。


「わー、ほんとっす! 凄いっすね、アニキ!」

「いや、大したことないよ。ユイ、タオルか何か持ってる? セカイの顔を綺麗にしてあげたいんだけど」

「持ってますよ。ほら、下井君、こっちに来て」

「はいっす」


 ユイに連れられてセカイが食堂を出ていく。

 多分洗面所かどこかへ行くのだろう。


 人の怪我を治す魔法――治癒魔法と言うらしい。

 真白さんの家で練習してきた成果が出た。


 もしこの魔法をもっと前に使えるようになっていたら、ニィおばさんを助けることができたのだろうか。

 ……そんなことを考えながら、俺はスープを一口飲んだ。

 既にそれは冷え切っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大人気(笑)連載作! 本作の前日譚となっていますのでぜひご覧ください!↓

外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ